永田台小学校研究授業 自分の実践以外のブッククラブというのは、実際に見たことがなかったので、他の人のつくるブックラブを見てみたい。

先日、永田台小学校の公開授業に行ってきました。

関心事を次の3つ。

1,旧態然とする研究授業スタイルを、永田台小学校ESDというフィルターを通して、永田台はどうやって先生たちが探求を深めていっているのか。その先生たちのもつ空気はどんな感じなのか。
2,自分の実践以外のブッククラブというのは、実際に見たことがなかったので、他の人のつくるブックラブを見てみたい。
3,講師として横浜に初襲来する岩瀬直樹先生が永田台の授業を見て何を発信するか?

2,自分の実践以外のブッククラブというのは、実際に見たことがなかったので、他の人のつくるブックラブを見てみたい。

 僕はブッククラブという学習をよくやるのですが、実は、他の人が授業で行うブッククラブというのを見たことがありませんでした。いわゆる「読書座談会」とか「感想交流」というのはみたことがあるのですが、「ブッククラブ」という学習が目指す民主的なゴールに向かってやっているというのは、見たことがありませんでした。というわけで、これもわくわくして言ったわけです。

インプロとセレンディピティ

 ブッククラブは子どもたちとともに成長していくものです。だから、年間に3回とか4回とか定期的にやって、子どもたちと本とつながる体験をしていった方が効果的だと思います。よく学校で「既習事項の目標と重複しないように…」と言われることがありますが、僕は関係ないと思います。教師がねらったように育つほど、子どもは無機質ではないですし、ブッククラブも含めて、こういう一期一会を楽しむような活動は、やるたびに違う色を放ちます。確かに、句読点の付け方を2回授業するのはあまり意味は無いと思いますが、重ねれば重ねるほど、いい色になっていく学習というのも、いくつもあります。
 ジャズの世界では、インプロという言葉があるそうです。奏者同士が即興で音楽を紡いていく。楽譜はないので、奏者同士の気質やその日の感情、お酒が入っているか入っていないかみたいなそういうことが、奏者達の音楽を作っていく。ブッククラブも、それに近いと思います。
 セレンディピティという言葉を茂木さんはよく使っていますが、これは、「偶然に出会った事象は、実は無意識にも必然的に自分が求めていたことで、その偶然に気付く力が高まっていたから。だから、もっと偶然を楽しもう。」的な言葉ですが、これも、ブッククラブってそういうものだよなあと感じます。
 だから、ブッククラブというのは、ねらった目標に到達する活動の手段ではなくて、個々が持っているゴールにそれぞれがアプローチできる環境なんだと思います。まさに、永田台小学校の研究する姿に近いものがあるのだと思います。

Khamkhor / Pixabay

コーチングに似ている

 2つの授業に積極的に加わってしまいました。僕も気づいたら、ブッククラブのインプロの魅力に加わってしまいました。いろいろなグループのブッククラブのカンファランスをして回ってしまったのです(笑)いや、自分を止められなかったんだなあ。嬉しかったんだと思います。普通の研究校の授業だったら迷惑だったかもしれませんが、永田台ならむしろやった欲しいと願っていると思ったのでやりました。ごめんなさい。
 ブッククラブのカンファランスはスポーツのコーチングにとても似ていると思います。前回のブログで書いた「奇跡のレッスン」と同じことがブッククラブでも言えます。スポーツでもそうですが、ブッククラブは自主的な判断力や求められます。相手の言ったことに対して、即座にレスポンスできる能力や、自分の伝えたいことを相手が受け取りやすい形で発信する能力。どれも、型にはまったこなすだけのトレーニングでは習得は難しいです。一人ひとりの判断力や決断力、応用力が求められます。それを育てるためには、自分の力で一歩踏み出したことを賞賛したり、自分の判断で動けたことを認めていったりするところから始まります。頷いて聞いたり、基本的な質問の仕方を身につけるという基礎はありますが、それが分かったら、自分の判断でいろいろな場面で使ってみるということが大切。そして、使ってみたというトライやチャレンジを認めていってあげる雰囲気が大切です。

 あとは、良いプレーを褒める。読書家のテクニックを使えていたら褒める。良くないプレーはプレーを止めて考えさせたり、提案したりする。よくよく考えると、やっぱりブッククラブはスポーツなんだなあと思います。プレーができてくると楽しくなってくるのも似ていますね。ブッククラブのほうがバスケットボールより慣れるのは早いと思いますよ。バスケはある程度動きの型になれるのに時間がかかりますが、ブッククラブはおしゃべりですから、慣れるのも早いと思います。サッカーなんかよりもよっぽど早いです。

RitaE / Pixabay

一人で本を読んでいるのもOK

 僕は2年生のブッククラブには大変背中を押された思いをしています。低学年の対話型の学習には、まだ僕も二の足を踏んでいました。久しぶりの低学年担任を任されて、子どもとの距離感をまだ探り探りでいたので、思い切って挑戦する勇気をもらえました。やっぱり自分も、まだ子どもたちの可能性を信じられていないのだなあと思います。
子どもたちの能力はさまざまで、ブッククラブのような学習にとても強みを発揮できる子もいるし、そうでない子もいる。けれど、ブッククラブがどんな可能性をも受容できる学習であることが子どもたちが分かれば、「絵を書いてもいいんだ」「好きな場面を音読してもいいんだ」「じっくり絵を見てもいいんだ」「友達の意見をしっかり聞いてもいいんだ」ということもブッククラブだとわかり、さまざまな強みを持つ子どもでも、応用して楽しむことが出きるように思います。ブッククラブは多様性を受け入れる余裕を持った学習であるように思います。気分が乗らない時は「一人で本を読んでいる」もOKというのは、講師の岩瀬先生もおっしゃっていましたしね。

ブッククラブの振り返り

ブッククラブの振り返りはいつも迷うところです。チームがある程度固定化していて、このブッククラブが継続的に行われていくということが、子どもたちにもわかっているならば、振り返りは子どもたち自身の手で、積み重ねるように行われるように思います。4・5・6年生ならば、グループみんなで振り返りをすれば、「次はどうする?」という視点で行われていきます。どんなブッククラブにしたいかというゴールを共有できていると、より効率的なのかなあ。ビーイング型ブッククラブ振り返りはおすすめです。良かったところだけ共有していくのもOK。
一人で黙々と内省を深めていく時間もとても大切です。でもその後に、その文章を友達と交換してフィードバックを贈り合うのがないと、効果は半減するように思います。あくまでも、子どもたちは次のブッククラブをさらに楽しい物にしていきたいというモチベーションのもとに振り返りを行うわけですから、チームの為にという視点は欠かせないと思います。
よい振り返りを先生が見つけて、どんどんオープンにしていけば、自ずと子どもたちの内省は深まっていきます。強いモチベーション・自分たちが決定できるというオーナーシップ・ブッククラブができる環境がそろえば、進んで子どもたちは振り返りを行い、質の高い活動へと進んでいきます。教師は子どものできていないところを見つけて焦りますけどね。でも、できていないところにアクセスするのではなくて、上の3点を伸ばしていくイメージで活動を支えていくのだと思います。

ひとの授業でカンファランス

 ある4年生の男の子が、僕が「自分と主人公を比較して考えているので、1番のテクニックを使いこなしているね。それは高学年でやっとできるレベル。すばらしいプレーだったよ。」と褒めたところ、彼の心に炎が灯ったことがわかりました。頭が冴えて、能力を存分に発揮したブッククラブができていました。彼の力になれたことが嬉しかったです。自分のクラスではそういうカンファランスはできないのかもしれないなあ。パッと来た初めての大人の人に言われたから、力があったのかもしれない。そう思うと、その子どもを十分に熟知していないとカンファランスできない、本の内容がわからないとカンファランスできないというのは、間違いですね。よりよいカンファランスは出きると思いますが、絶対ではない。もっと僕も気軽にカンファランスしていきたいです。

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