プロフェッショナル 仕事の流儀 教師もシェフもキュレーター

 レストランのシェフになるとします。今までにないかっこいいレストランを作りたいですね。
 僕がレストランのシェフになるとしたら、鎌倉の古民家みたいな古い家を、ふるさを残した新しいテイストを入れて、お客さんをもてなします。鎌倉ですから、鎌倉彫の調度品をあしらって、器は竹や漆みたいな伝統的な素材感が伝わるようなものを揃えていきます。新進気鋭の寄木細工アーティストの作品で食器などを整えたいですね。
 料理は、大好きな三浦野菜や地場ものの魚を、生産者に信頼される形でお客さんに提供したいです。生産者の人柄が見えるレストラン。まるで、生産者のドキュメンタリーを見てるようなレストランです。それでいて、堅苦しくない。笑顔がある。生産者に信頼されるシェフって、大切なことです。
 料理と一緒に写真を出していくっていうのはどうでしょか。僕のレストランが持っているコンセプト伝わるような写真と一緒に、美しくデザインされた料理が提供される。
 けれど、もっとも大切なのは、食べる人と作り手との対話。お客さん同士の対話。対話が生まれるために、調度品や写真、料理が工夫されている。スタッフみんなが、料理を食べに来るお客さんとの会話を心待ちにしている。
 レストランって、空間をデザインして、コンセプト(ライフスタイル)を提供することが実はもっともたいせつなのかもしれません。料理の腕は前提ですが、料理の腕以外の才能もとても必要なんだなあと感じます。

 教室の先生もそうだと思いませんか?

 その先生の大切にしていること、子どもたち一人ひとりが大切にしていることが、教室の中で重なりあっていく。
 教材で、三浦大根を守る農家を題材に出すということは、教師がどんな気持ちをもって、子どもたちに新しい価値観を提案したいのか。子どもが、大山の天狗を調べてきて、それについてもっと知りたいという気持ちを後押しするために、教師がどんなことをするのか。
 教室の中に丸くサークル状に置かれ、子どもたちの椅子になっている丸太スペースは、対話を行うときには欠かせない大切な場所となっているが、その丸太は、道志村の間伐材を切って、座るのに調度よくしたもの。どうして、そこに、道志村の丸太があるのか。子どもたちは、森林管理の実態について、NPOの協力を得ながら、調べ始める。

 教室を経営する教師も、レストランを経営するシェフも、まさに、キュレーターです。来談者が気持よく対話できるように、そして、こちらのコンセプトと来談者の関係の中から生まれる新しい意味を集め、世界と自分を変えていこうとする試み。

 教師はすっごく可能性をもった仕事ですね。その可能性を過適応して1%使って終わるベクトルと、柵を超えて100%フル活用するベクトル。自分のコンセプトを守れるか。大切にできるか。

 僕も、もっと挑戦していいのかもしれません。

 今回もプロフェッショナルを見て、刺激を受けて、書きました。
 http://www.nhk.or.jp/professional/2015/0706/index.html

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