海外移住資料館で気付く自分の中の国際感覚の狭さ

 7月から8月にかけて、JICAの研修でブラジルに行くことになりました。開発教育を学べる年間を通じたプログラムのひとつで、ブラジルに行った後、授業実践を行って提案をおこなうような流れになっています。応募する前は、「夢の海外出張」という気軽な気持ちだったのですが、いざ行かせてもらえることになると、緊張や不安があります。別にサッカー観戦が好きだったり、コーヒーの銘柄を気にして買うようなことはないので、ブラジルの情報はとことん不足しています。

 自分を含めて10人の人が選ばれていました。対象は山梨県と神奈川県の小・中・高・特別支援等の教員。学校種も年齢も男女もうまくミックスされるように選ばれている感じです。10人しかいないのに、知り合いが2人もいて、本当に驚きました。

 今日一番勉強になったことは、ブラジルへ開拓の民として渡った移民の方たちの話です。JICA横浜には海外移住資料館が併設されています。そこを見学しました。知り合いから紹介してもらった本「アマゾンの歌」を読み途中なので、いろいろな展示や写真が「アマゾンの歌」の舞台とリンクするので、わくわくしてしまいました。
 一番興味をもったことは、日系人とは、日本人という枠組みでも、現地の国籍という枠組みでもなく、融和したアイデンティティを持っているという点です。僕の誤解は、日系人の方々は、日本人としての自分でもなく、現地のアイデンティティでもなく、苦しんでいるというイメージをもっていました。おそらく、そのように苦しんでいる方もいらっしゃるのかもしれませんが、今日写真に写っていた方々は、NIKKEIであることに自尊心をもち、新しいアイデンティティをもって、誇り高く暮らしているということです。
 戦時下では、日本人に由来があるというだけで、強制収容所に入れられたり、迫害を受けたり、また、絶対に打ち明けられない秘密であったりしたそうです。けれど、たくさんの親戚一同が集まったハワイの日系人ファミリーの写真を見ましたが、そこには、肌の色もさまざま、容姿もさまざま、年齢もさまざまな方々が、笑顔でこちらを見て写真をとっていました。過去の記憶を乗り越えて、今を充実して生きていることに心を動かされました。
 僕は、移民であるということに「ネガティブ」なイメージを持っていましたが、これも偏見かもしれません。日本という国に生まれてきて、出稼ぎ、移民とは程遠い今だから、こういうイメージをもってしまっているのかもしれませんが、実際はどうあれ、自己実現を果たそうと、夢をもって海外へ旅立っていった人たちの姿をみました。移民はポジティブな側面もあるということです。
 よく東南アジアの方々が、出稼ぎなどで他国にいって仕事をすると言う話を聞きますが、僕はこういう情報を捉え直さなければならないと思います。仕事が無いから、稼げるから、仕方がないから、そういう側面も確かに実際はあるかと思いますが、知らず知らずのうちに上から目線で見てしまっていたのかなあと。今や自分の国以外で仕事をすることが当たり前のこと。日系移民はその先駆者ですし、今も勇気をもって現状を何か改善しようと挑戦している人がたくさんいるわけです。自分の中の国際感覚を一度リライトしないといけません。
 そう考えると、今の日本はどうなのかな。今の自分はどうなのかな。考えてしまいます。

 日系の方が大切にされている言葉にOKAGESAMADE(おかげさまで)があるそうです。I am what I am because of you.(トミー訳:あなたのおかげで、いまの自分がいる。はおかげさまの翻訳だそうで、日系の方たちの気持ちを感じます。

 上の写真は移民の方が食べていた食事の展示。ランチは、ブラジルに行くので、JICA横浜の食堂でフェジョアーダを食べました。黒いんげんとベーコンの煮込み。僕にはあんことベーコンの煮物にしか見えない。ちょっとこればっかりは得意にはなれないかもしれません。

 ブラジルの移民の本リスト。
「アマゾンの歌(角田房子)」
「蒼ぼう(石川達三)」
輝ける碧き空の下で(北杜夫)」




 

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