平成28年7月27日 教師海外研修 サントス厚生ホームとオンダリンパ

 サントス厚生ホームは、日系人の方のための介護施設。(非日系ブラジル人の方も入れるそう)日系人の方々の高齢化はどんどん進んでいる。大変な苦労をして日本に戻っても、つながりのある親類の方はもはやいないという場合、本当にありがたい施設なることだろう。老後の余生を、日本食のある日本文化を大切にした施設で過ごしたいという方は多いそうだ。
 日本では、つながりのない高齢者が孤独な境遇に陥ることが取り沙汰されているが、今回見てきた厚生ホームの方々は、本当に温かい雰囲気で孤独という感じをまったく受けなかった。皮肉にも、地球の裏側のブラジルの方が、結束を固めてみんなで支えあって生きていこうとする連帯意識が強いのかもしれない。同質集団でお互いに無関心になりがちな日本にいるよりも幸せであるという可能性もある。日本からの支援もあり、その他の介護施設よりも安く入れるということもあるらしい。
 ただ、やはり忘れてはならないのが、ブラジルでの貧富の差と高齢化問題である。年金を満額受け取れるブラジル人は、全体の何%ぐらいなのだろうか。また、そもそも受け取っている収入が少ないので、このような介護施設に入れるのは、どのようなステージの方なのかが気になる。ブラジルには、全てにおいて、貧富の差が横たわっている。
 オンダリンパはJICAが支援している下水処理施設で、水道オタクのトミーとしては、日本とブラジルの下水処理施設の比較の視点で見ることが出来たので、おもしろかった。
 一番気になったのは、街中から集められた下水をろ過で固形物だけを乗り除き、サントスの海岸線から8km先まで海底の排水管を通して排水しているそうだ。
 詳しく聞いてみると、どうも微生物を利用した処理は行っていないようだ。また、塩素処理もせずに排水しているようだ。要するに、フィルターで濾過しただけの下水が、サントス港の沖で放出されていることになる。
 赤潮などの公害問題も特にないらしい。また、工業排水などもJICAにつながりのある方などがチェックを行い、適切に排水されているそうだ。
 日本でこれと同じことが行われたら、大きな問題になるように感じる。日本の場合、濾過、バイオ、塩素などいろいろな手順を踏んで、川へ放出されている。ブラジルのサントスは、下水道の普及率がオンダリンパの成果で65%程度に上昇している。つまり、下水道がつけば公衆衛生環境は改善されたという段階なのである。それ以上のことに意識を向ける段階には至っていないように感じた。
 下水管を敷設する際に、住民の理解が得られずに苦労するそうだ。下水管使用料がかかるぐらいなら、玄関の前に下水を捨てるという考えの人も多く、衛生意識の向上が進んできて、やっと下水の方へ傾き始めた段階にある。
 横浜の水道局もJICAのボランティアとして、お手伝いにきているらしい。すばらしいことだ。


 

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