汎用AI(人工知能)の超ペッパーくんに、人間は勝てるかな? 「人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊」井上智洋

人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊 (文春新書)

「人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊」井上智洋を読んで

トミーの新しい技術を読み解こうシリーズです。ブロックチェーンに引き続き、AI(人工知能)です。新しい技術についての本は、自分が考えもしていなかった未来が描かれていて、本当におもしろいです、教室で話したくなる話題でいっぱい。

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AI(人工知能)って何か教えて!

AIは、知的な作業ができるソフトウェアのこと。例えば、iPhoneについているSiriは、ユーザーの質問を聞き取って、iPhoneを代わりに動かしてくれます。自動運転技術も、AIが車を動かす技術。Googleも人工知能がユーザーの検索履歴などを生かして、適した検索結果や広告などを表示しています。このように、何かの機能に特化したAIのことを、特化型AIと言います。つまり、SiriならiPhoneしか動かせない。Siriが自動車についていても、車は運転できない。人間は、教えればiPhoneの操作も、車の運転もできるから、やっぱり人間のほうがすごいよね!?

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やっぱり人間の方がいいよね…?

ところが、AIの技術は急速に進展していて、小脳や海馬などの脳の部分の機能を作ってみたり、人間の脳をまるごとエミュレート(そっくり真似する)しようとしたりしているらしい。つまり、教えれば何でもできる汎用AIの実現が近くなっています。

「教えればできるんだから、教えないとできない人間と一緒じゃん!」と考えた人は、あまい。コンピュータと同じように、データをコピーすることができるので、一度できるようになった汎用AIは無限に増やすことができます。しかも、汎用AI同士はネットでつながっているので、各汎用AIが経験した情報は共有化され、その汎用AIが直接経験していなくても、勝手にできるようになってしまうかもしれません。

つまり、iPhoneを動かしていたAIが、車を運転しなくてはいけない時に、車を運転できる情報を勝手にダウンロードして、運転してしまう。うーん、でもこのイメージは、まだ物質的。汎用AIはソフトフェアなので、共有された一つの全能のAIが全ての機器、言語、情報、統計、思考、判断を全世界的に瞬時に行ってしまうというレベルで僕は考えています。

さて、人間は汎用AIに太刀打ちできないのは、お分かりいただけましたか?

Janson_G / Pixabay

人間が汎用AIに勝てる分野は?

  • クリエイティブ系
  • マネージメント系
  • ホスピタリティ系

だそうです。わたしのような仕事は、ホスピタリティ系になるでしょうか?でも、ボヤーッとしていられません。僕もMOOC「インタラクティブティーチング」を学びましたが、大学行かなくても十分学べるし、SNSと組み合わせれば、仲間同士で刺激しあって学ぶこともできる。放送大学もそんな感じ。学校に縛られていては余計に学べないと考えている人も多くいて、学校の先生も、時代遅れのことをあと5年続けていれば、あっという間に子どもは学校に来なくなって、生産的登校拒否みたいな状態になるでしょう。

JMOOC

いつ、その恐ろしい汎用AIが登場するの?

筆者は汎用AIが登場するのが2030年と予測しています。そして、汎用AIが全人類の知性を超える(シンギュラリティと言います)のが2045年。うーん。僕が50歳ぐらいで汎用AIで、シンギュラリティが65歳か。まだ働いているな。いや、AIのせいで(おかげで)働けていないかな。

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汎用AIで、世界がおかしくなってしまうんじゃないの?

汎用AIの技術は、産業革命を起こすでしょう。

19世紀の第一次産業革命の頃に、蒸気機関などによる機械的生産を導入した欧米諸国と導入しなかったアジア・アフリカ諸国との間に経済成長に関する最初の「大分岐」が生じました。それと似たようなことが21世紀に起きるというわけです。P174

機械化の波に乗った列強諸国と、機械化の波に乗れなかった植民地が、大分岐を起こしたのと同じように、汎用AIでもそのような状況になるかもしれません。よもや、日本はインターネット産業と呼ばれる第三次産業革命には完全に乗り遅れ、GoogleやAmazon、Facebookなどは日本からは生まれていませんし、それで2030年の汎用AIに対応できなかったとしたら、もうあとは、静かに余生を過ごす国になるでしょう。

もはや、国という概念も薄まりつつあります。世界企業は一国よりも力を付けているし、仮想通貨でお金は自分で作れるようになっているし、経済圏を自分好みにカスタマイズしている人もたくさんいるし。これからどうなるのか、全くわかりません。

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ペッパー君の時給は、1500円

ロボット「ペッパー」の時給は1500円 その時、人間たちは

ソフトバンクのロボットPepperのレンタル価格は現在1時間1500円です。最低賃金は都道府県によって異なっていますが、東京都では時給900円ほどです。その差はわずか600円しかありません。p171

料金 | Pepper for Biz(法人向けモデル) | ロボット | ソフトバンク

僕の計算によると、もっと安いんだけど。。。一月55000円でレンタルできのだから、労働基準法の1日8時間、週5日で働かせたら、もっと安くないのかな。しかも、それは、ペッパーくんをゆとりある労働基準で働かせた場合で、過労死ラインで働かせてもいきいき接客できるのだから、時給はもっと安くなる。

僕は、これから30年後も、スーパーレベルアップした汎用AIペッパー君以上の仕事ができるかな。できなかったら、仕事はできないのかな…。これって、国語のディスカッションテーマとしておもしろそう!!

ronymichaud / Pixabay

生きる道はベーシックインカムしかない?

ケインズは今から80年ほど前に、100年後の人間は一日3時間働けば十分になると予言しました。…AIが高度に発達した未来の世界でBIが導入されれば、労働時間の劇的な短縮が可能となります。平均的な市民の労働時間がほとんどゼロになることも考えられます。P243

というのが、この本の終着点。ベーシックインカムとは、国民一人あたりに一定のお金を給付する制度。筆者は月に7万円というラインを提示しています。

どうかな。僕は仕事したいという意欲は減らないように思います。育休して感じたことは、やっぱり仕事もいいな!ということ。仕事には、生産的なことに携われる価値とか、仲間と一つのことができる喜びを感じられるとか、子どもたちと楽しく過ごせるとか、お金以上のいろいろな価値があって、それを求めてやっている面もある。だから、それにプラスしてベーシックインカムでお金をもらえるのならば、ガツガツしなくてもいいし、自分がやりたくて、汎用AIにもできない自分らしい仕事に、もっと集中することができるかもしれない。そういう世の中は大歓迎です。

geralt / Pixabay

おもしろかった箇所の引用

遺伝子工学の発達によって、例えば「人造肉」が可能になります。…タンやレバーといったパーツだけを工場で作り出し食肉として供給できるようになり、私たちは牛や豚を殺めることなく、肉を食べられるようになるのです。P46

現在、ディープラーニングの応用範囲も急速に広がっていっています。スカイプはディープラーニングを用いた英語・スペイン語間の通訳サービスを提供しています。簡単な会話であればかなりの性能を発揮しており、今後、商談や学術的な議論などの込み入った会話が通訳できるようになることが期待されています。P72

アメリカでは既にAIのスポーツライターが活躍しています。「ワードスミス」というソフトフェアは、データっを読み込ませると、どこのチームが何対何で勝ったなどという文章を生成することができます。P74

人間の脳ではなく「C・エレガンス」という線虫の神経系についてならば、全脳エミュレーションは既に実現しています。優雅な名前のつけられたこの生き物に備わる302個のニューロンと6393個のシナプスの全ては完全に明らかにされているわけです。P80

例えば、汎用AIを搭載したロボットが給仕を務めるレストランの店内をネズミが走り回っているとします。…ゴキブリを見つけたら叩き潰すようにとあらかじめ人間に教えられていたとしても、ネズミが走り回ることは滅多にないので、ネズミについては対処法を教えられていないかもしれません。その場合は何も判断できないか、ロボット店員は、ゴキブリからの類推でネズミを叩き潰してしまうかもしれません。P92

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