教師がもつべき5つのスタンス 前編 前向きに いろいろなやり方で 失敗からしなやかに

教師がもつべき5つのスタンス Knowledge is Power : Teaching Children the Constellation of Stances

第3章です。

この章では、教師と子どもたちでクラス作りをしていく時に、一緒に共有したい5つの考え方・マインドセットを紹介しています。この5つはたしかにどれも大切で、教室だけでなく、子育てや人間関係の上でも、重要です。この5つを備えている人は、魅力的な人だと僕も思います。

その5つとは

  • Optimism 前向きに
  • Flexibility いろいろなやり方で
  • Resilience 失敗からしなやかに
  • Persistence ねばり強く
  • Empathy 相手の気持ちを考えて

訳が難しい。。。

What we choose to focus our attention on – the good, the bad, the ugly, or the beautiful – can dramatically change our behavior and interactions with the world. For our students, what we guide their awareness to can have a powerful effect on their lives. What lenses will be the most powerful for them to see themselves, and the world, through?

私たち教師が、テストに出るキーワードや教科書の進捗状況にフォーカスしていると、子どももそういうコチコチマインドセットになってしまいます。それは固定的で子どもの力ではどうにもできないものだから。

でも、世界と関わり合って、チャレンジできる心に成長させるために、私たちは一体、どんなことにフォーカスすれば良いのでしょうか? どのような世界を見るレンズを手渡してあげれば、子どもたちはもっと世界を楽しむことができるのでしょうか? 

マインドセットの話につながりますね。教師という仕事がいかに尊い仕事かということも。

Wokandapix / Pixabay

気づきの力 Harnessing the Power of Awareness

5つのスタンスに気づくことが大切なのです。

例えば、僕も赤ちゃんの面倒を見るようになって、始めて、向こうから歩いてくる子連れのお母さんに着目出来るようになるし、その子が何歳ぐらいかにも関心が向くようになります。

そもそも、5つのスタンスを認識していなければ、子どもたちの輝く5つのスタンスも、教師はすべて素通りしてしまうでしょう。そして、目下にあるテストや教科書の進捗状況ばかりに、目を向けてしまうわけです。

putevodnik / Pixabay

5つの力 Defining the Stances of Engaged and Energized

前向きに Optimism


Optimism is feeling hopeful that risks are worth taking and that problems will work their way out.

前向きさは、リスクを取ることに価値が有ること、問題が良い結果につながることを、希望もって感じることができること。

このリスクテイキングという言葉は、日本の教室には馴染みがないです。リスクという観念がない。

一斉授業の元では、こどもがリスクを取ることは、「ダメな」ことと言ってもいいかもしれません。全員が理解できて、みんな「花丸」なわけですから、独断でリスクをとるようなことをされると、教師は困るわけです。みんなが花丸をとれないかもしれないし、学習展開からそれてちがうことをされても困る。

でも、本当にそれでいいのかな? できないかもしれないけど、乗り越えたら新しい眺望が開けるかもしれない。そういうことに子どもたちが挑戦することって、僕自身もわくわくします。

僕はこのリスクテイキングという言葉が、チャレンジングな学習風土を作ってくれるような気がしています。

When children are young, many take risks almost without a second thought: jumping off rocks into puddles, playing experimentally with words and sounds, and seeing just what will happen if they pull that worm up from the soil.

たしかに、嬉しそうにやりますね。うちの赤ちゃんなんかは、自分の体を支えることもできないくせに、とんでもないリスクをとって、挑戦してきます。親が支えていることを当然のことと考えているのか? それとも、大きなリスクをとっても、自分を成長させたいと考え続けているのか? あかちゃんはすごい。自分の可能性を広げていることが楽しくて仕方がない。

In many school settings they look like the ideal child – well behaved, quiet, and on task. However, these students shrink away when faced with a challenge and are rarely truly energized about their learning.

理想的な子。

理想への意識が強すぎて、リスクテイキングできない子っています。うちの子もこういう傾向があるかも。

When we teach children in our classrooms to practice optimism, we teach them to launch themselves into difficult tasks with the belief that even if they fail, they can learn and grow and that any problems they face will work themselves out one way or another. We teach them to hold on to that sense of curiosity and wonder from their earliest years and to continue asking, “What if?” unafraid of what the answer might be.

opitimismって教えるものなんですね。正直、育つのをじっくり待つという感じだったので、practiceとかteachとかっていう感じではありませんでした。でも、その子のコチコチマインドセットを溶かしてあげるためには、積極的にアプローチしていかないといけない。学習よりも大切なことです。

どうも、僕も含めて先生たちは、教えなければならないことに気を向けすぎて、そのベースとなる5つのスタンスのような考え方を、子どもたちに育てるという意識は脇の方に置いて置かれてしまいます。

5つのスタンスは、その子の特質ではない。教師や親が育ててあげるもの。固定的なものではなく、関わる大人次第でどうにでも形を変えて成長していくものなのだと、強く認識しないといけません。

bearinthenorth / Pixabay

いろいろなやりかたで Flexibility

いろいろな方法で見てみたり、やってみたりすること。問題にぶつかった時に、この方法がだめなら、あの方法でと、見方やり方を変えて、どんどん試していく力です。

Costa and Kallick go on to suggest that flexibility includes being able to see a problem from one’s own perspective (or what Jean Piaget called egocentrism) another’s perspective (allocentrism), a bird’s-eye view (microcentrism), and a worm’s-eye view (microcentrism) (2000, 26). By quickly shifting between these perspectives, flexible thinkers can “approach a problem from a new angle, using a novel approach” (22) what Edward de Bono called “lateral thinking.”

こういうのも教えるのでしょうかね。教師が意識や言葉を持っていないと教えられないでしょうから、こういう「自分の目」「鳥の目」「虫の目」みたいな言葉を育てていかないと行けないと思いました。

Alexas_Fotos / Pixabay

失敗からしなやかに Resilience

最近、日本でも注目されている言葉になりました。僕の日本語訳よりも、カタカナの方がよっぽど通じます。レジリエンス。

In their book Building Resilience in Children and Teens, Kenneth Ginsburg and Martha Jablow (2011) use a beach ball metaphor to illustrate resilience: Imagine a ball floating on the ocean, they suggest. No matter how far down you push it, it will always come back to the surface.

このビーチボールのメタファーは分かりやすいですよね。Differentiated Instruction Strategiesでは、子どもたちの4つのタイプでビーチボールが出ていました。子どもに説明する時に、イラストやメタファーがあると、子どもたちはしっかりそれを自分の体験とつなげあわせて、自分のものにしてくれそうな気がします。

子どもを知る Differentiated instructional strategies chp.3

We see some students who are buoyed quickly back to the surface and others who seem to spiral farther and farther downward with every setback.

やたら落ち込む子っていますね。でも、そういう子って、安心が欲しいのだと思います。だから、大丈夫だよって言ってあげればいい。そして、ぺちゃんこのビーチボールに空気を入れてあげるような、そんな友達の声があるといいですよね。

Students who do not develop their resilience can instead develop an aversion to taking risks.

「失敗を嫌う」ってよく分かります。うちの子も、失敗や分からないことを聞くことをためらう時があり、こういうのを笑顔で切り抜けられる子になってほしいなあと願うことがあります。これも、教師が示してあげるということが大切なのですね。

“If you aren’t experiencing failure, then you are making a far worse mistake: You are being driven by the desire to avoid it”

これはピクサーのCEOのEdwin Catmullさんの言葉。映画を作るようなクリエイティブな活動なんて、失敗や挑戦の連続で成り立っているようなもんで、そこに挑戦する気持ちが沸かなかったら、それこそ、つまらない映画を効率的に生み出す工場と化してしまう。

日本の教室にも当てはまるのではないでしょうか。一斉授業が多いと、つまり小さな失敗でも人前で常にさらけ出されてしまう環境になり、怖くて、人の目が気になって、失敗できない。個人間でたくさんの失敗をしなければならないのに、こっそり失敗できない。

学習が、もっと緩やかに、適度な距離を保てて、Differentiated Instructionがもっと進めば、こっそり失敗できる。たくさんこっそり失敗して、レジリエンスを身につけられればと思います。

エドウィン・キャットマル – Wikipedia

This is not to say that the difficult moments won’t feel bad – of course they will – but rather that those bad feelings can be overcome and do not define their personhood. The more often they feel that bounce-back, the more habitual it will become.

失敗すれば、誰だって、嫌な気持ちになるよね。共感。分かる分かる。

でも、どんな失敗もその子自身を否定することでないし、その嫌な感情を脇に置いておいて、また立ち直ってがんばれたことこそが、大きな宝物になる。そうやって、子どもたちは、Beリボールの浮いたり沈んだりを繰り返し、はりのあるつややかなビーチボールへと成長していくのかな?

次の学究目標は、ビーチボール? ビーチボールのハンコを作ろうかな。

Zozz_ / Pixabay

長くなったので、PersistenceとEmpathyは次回へ

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