5つのスタンスを育てるためのストーリーテリングの価値がすごい

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第8章 ダイジェスト

ストーリーテリング 語り聞かせワークショップ 実践編

ストーリーテリングを生かして、5つのスタンスを育てることの価値を説明した前章に対して、今回は実践編です。

物語を紡ぐことには、それに自体に力があります。子どもが世界を捉えることに、物語はなくてはならない媒体ですし、物語は拡散性が高く、子どもの心にも溶け込むように入っていきます。

この筆者は、ライティング・ワークショップ、リーディング・ワークショップ、数学者のワークショップを使って、物語の中に5つのスタンスやそれを強化する内言を溶け込ませて、しなやかなマインドセットを作り上げています。

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物語の作り方

ポイントは、嘘をついたり、妙に華美したりしないということです。

教室の中に物語は散らばっていて、それを教師のアシストの下、紡ぎ上げていきます。

そして、4つの構成で、子どもたちが物語を理解しやすくしています。

  1. Set the scene (the who and the where). 物語の状況設定を描く。誰が、どこで、
  1. Name the challenge or problem. 問題や挑戦に名前をつける。緊張感が高まる名前がGOOD
  1. Raise the tension through multiple attempts or worsening events. いろいろな試みをしても、悪い方向に向かってしまう内容で、緊張感を高めていく
  1. Reach a resolution. 解決方法を見つけ出す

子どもたちが語り聞かせを始める前に、4つの枠組みで支援を行い、一緒に準備をします。語り聞かせをしている子どものそばに座り、合いの手を添えるように、支援をいれていきます。

具体的な実践では、5年生のジャックくんとシュワブ先生のやりとりが、とても軽妙に描かれていて、読んでいるこちらも嬉しくなってきました。

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ストーリーテリングの価値

もうこの先生のマインドがハイレベルすぎて、僕を含めて日本の先生は、ついていけないように思います。子どもたちの内面を育てることに、これほど焦点を当てて、具体レベルにまで指導を落とし込み、実践している人はいるのでしょうか?

As educators, our goal is for our students to use these thousands of daily moments to frame and reframe their lives in a positive, energizing way. As they gain independence in telling stories, our work shifts from supporting and coaching stories to guiding students to tell stories on their own, in the exact moment when a story of optimism or resilience, flexibility or persistence will carry them forward. The challenge becomes, then, shifting storytelling from intentional practice to simply habit.

この部分には、感動すら覚えます。

サポートやコーチから離れ、いかに子どもたちが自立してポジティブなマインドセットを確立できるか、そこをゴールに設定して、学習Designを行っています。意図的な練習から、シンプルな習慣へと、子どもたちをゆっくりと誘っている。怖ろしいほどの千里眼を備えた先生です。

1時間の授業、学習内容、教材ばかりにこだわってはいられません。1年後に、(もしくは6年後に)どんな子どもを育てたいのか、筆者は恐ろしく高次なステージを見つめている先生です。

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8, Using Storytelling to Build Positive Mental Pathways

It is a guarantee that most children have scenarios in their lives that are beyond their control: poverty, divorce, fear, even little brothers or sisters that ruin block towers. That is why it is essential that we, as teachers, create a predictable environment that is under children’s control.

マインドセットなら、そして、ストーリーをポジティブに紡ぐ力ならば、貧困や生活環境に左右されずに、子どもたちに身に着けさせることのできる力ですね。たしかに、いわゆる学力は、お金の力にいろいろと影響しているように思います。お金よりも、親の余裕というか、意識と言うか、そういうものかもしれません。そういうものから、子どもたちは自由になれない。けれど、5つのスタンスを育てることには、垣根はありません。

When we tell stories of children fighting for equality on the playground, we help them join the fight for equality as adults. Storytelling can be a way to build children’s esteem and sense of agency, and by telling these stories, we set the foundation for a just and democratic future.

そんなに力があるのでしょうか? 子どもたちは、お話を聞くだけじゃなくて、語ることで、力をつける。読み聞かせならぬ、語り聞かせ。発想の転換ですよね。

In Your Own Classroom

教室は時間がないけれど、ちょっとした隙間でできますよ。という内容。朝の会、リーディング・ライティング・数学者・ワークショップ中、授業間、帰りの会、いつでもできてしまう。毎日のフレームワークを作ることが大切。

Choose a Real (and Common) Event

As these events occur, it’s helpful to jot them on stickies, or have children jot them, for later use (e.g., “Maggie-resilient at recess”). You can even dedicate a space in the classroom for these notes (see Figure 8.1).

物語が子どもの個々の中に閉ざされるのではなく、カードになってアートとしてシェアされるのは本当に良いですね。これもすぐにできそうです。

When selecting a story, work hard to be realistic. Don’t lie. This is harder than it sounds.

妙に飾る必要はないわけですね。友達が語る真実の物語だからこそ、説得力が増す

We would never, as adults, share a story of a person staying in an unhealthy, abusive work environment as a model of the power of persistence. We are mindful that we do not do that to children either.

教室の中でも起こり得る話です。ストーリーテリングの場を使って、友達を攻撃しようとする。実は、僕の実践のライティング・ワークショップでも、何度か経験したことがあります。もちろん、印刷・出版をせずに、書いた子の話を聞き、もっと前向きな解決策を一緒に作り出すようにしています。


Plan Key Points and Tell the Story Sequentially

  1. Set the scene (the who and the where).

物語の状況設定を描く。誰が、どこで、

  1. Name the challenge or problem.

問題や挑戦に名前をつける。緊張感が高まる名前がGOOD

  1. Raise the tension through multiple attempts or worsening events.

いろいろな試みをしても、悪い方向に向かってしまう内容で、緊張感を高めていく

  1. Reach a resolution.

解決方法を見つけ出す

起承転結とは、またちょっと違いますね。おもしろい。

Our caveat to this is that you will likely want to include the self-talk or stance that helped the child reach a resolution—it’s not that the child magically resolved the issue but that a particular stance or action helped move the problem to resolution.

内言やスタンスと結びつけることには、しっかり支援をする必要がありますね。それは、子どもの頑張りを価値付けることにもつながります。

Use Dialogue and Dramatization Throughout

We can capitalize on this engaging and memory-hooking device by incorporating dialogue, especially empowering self-talk or conversation, into our own stories. Children will remember this and repeat it, which is one of our goals.

5つのスタンスが象徴的なものですから、体験や物語とつなげて、子どもたちと結びつけていくのですね。丁寧なプロセスです。

Incorporating movement is just as essential in increasing retention. Listening to a story lights up one section of the brain, and seeing gestures lights up another.

1・2年生の子が、体を動かして、persistenceのポーズをしているイメージが浮かびました

Give Children a Chance to Immediately Retell the Story or Tell a Related Story

Storytelling has multiple aims:

to model the structure of story and the detail that makes it powerful,

to transmit an idea about what is important in the classroom,

to develop oral language and listening skills.

Purely listening to stories has its own benefits, but when we engage children in the retelling of a story or the creation of their own stories, we awaken some sleeping parts of the brain.

これを見ると、言語感覚もかなり磨かれそうです。物語を聞かせるためには、修辞や誇張表現がポイントでしょうから、そういうのを語りでやれてしまうのであれば、書くことでも応用できるでしょうね。ストーリーテリングワークショップです。


Just as we want to be sensitive about helping all children find a place in our stories, we also want to make sure we are telling diverse types of stories. One of our primary purposes for storytelling is to help each child build a tool kit of strategies for dealing with difficulty or novelty. We find it helpful to keep a list of the stances we are working on and jot the date and topic of each story we tell around them, so that we do not tell stories of resilience, for example, for three weeks straight (see Figure 8.2).

結構先生は、ねらいを定めてやっていますね。ここまでねらうなら、おそらく、年間計画もあるのだと予想しています。3週間は1つのスタンスでやりきるという意味ですよね。結構長いと思いました。

Student-Led Storytelling: Window into Fifth Grade

ジャックの山登り。週末に山登りしてきたジャックを捕まえて、オプティミズムにつなげたストーリーテリングをさせるシュワブ先生。

ジャックにはストーリーテリングをさせる準備をさせる。

シュワブ先生はアンティークブックをもってきて、小道具好き。雰囲気を高める。作家の椅子ならぬ、ストーリーテラーの椅子。

先生は近くに座り、合いの手を入れたり、支援をいれたりできる近さにいる。

物語調で語るように支援。

ジャックは前に読んだ本「ピーターと象と魔術師」とつなげる(これを読んだ時に、Chartをつくってあった)

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“What if I hiked to the top? Why not give it a try? Could I really make it?'” これが鍵となるセルフトーク

靴紐を締め直し、山を見つめ、「準備OK」

頂上に登ることができて、オプティミズムを手に入れた。

ターン&トークで「what if? もしもできたら、どうなる?」というテーマで話してみよう。

Reflecting on and Maintaining Growth

An average daydream is about fourteen seconds long and … we have about two thousand of them per day. In other words, we spend about half of our waking hours-one-third of our lives on earth-spinning fantasies.

すごい量の空想ですよね。これをポジティブにすることができたら、本当に人生はかわるのだとおもいます。そして、この部分にアプローチしようとする先生も、本当に職人・匠だと思います。

As educators, our goal is for our students to use these thousands of daily moments to frame and reframe their lives in a positive, energizing way. As they gain independence in telling stories, our work shifts from supporting and coaching stories to guiding students to tell stories on their own, in the exact moment when a story of optimism or resilience, flexibility or persistence will carry them forward. The challenge becomes, then, shifting storytelling from intentional practice to simply habit.

一つ上の引用に関連しますが、日本の先生は、完全に越えられてしまっています。こんなこと、考えたこともなかったですから。この本は、立っているステージが高次すぎて、日本の先生はポカンなのではないでしょうか?

Charles Duhigg, in his book The Power of Habit, describes what he calls the “Habit Loop” (2014, 19). This process consists of three steps. First, a cue (a time of day, a certain place, a smell) tells your brain which habit to use. Next, you engage in a physical, mental, or emotional routine. Finally, the reward tells your brain if this loop is worth retaining.

これは、僕がこのブッククラブを続けられているモチベーションにもつながっています。通勤電車の中で読む、ルーティンとして繰り返す、リワードを感じる。これがないと、継続はできません。

Check in Regularly with the Ecosystem of the Classroom

  • Chart:  

どんな物語が役に立ったのか、良い物語にするための質問などを掲示する

  • Role-Play:

ストーリーテリングの文化をシェアする。可視化できる。

  • Reflect:

ストーリーテリングの効果、感情について対話する。

Check in Regularly with Individual Storytelling

ストーリーテリングのための足場掛け。

  • Sketches of key images from a story,

いろいろなところにキーとなるイメージやスケッチを飾っておく。

  • Photographs or mementos

写真や記念品はスタンスを思い出させる。

  • Tallies or charts

スタンスを使った回数を記録したりグラフにしたりする

We are not storytelling just so that children can build better block structures; we are storytelling so children can build a better world.

目的が大切ということですね。決して、言語感覚を養うために行っているのではなく、もっと大切なスタンスの習得のために行っていることを忘れてはいけませんね。言語については、おまけの目的ということですね。

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