「これからの世界をつくる仲間たちへ」落合陽一 教育の視点で考える

これからの世界をつくる仲間たちへ

次の世代を育てる人

ぼくがこの本の著者、落合陽一さんに共感できる物の見方の第一は、彼の軸足の一つは「次の世代を育てる」という点に置かれているからです。変化の見通せないこれからの時代に、若い人たちがこれからどういう生き方を見据えていったら良いのか、一つの視座を与えてくれています。人工知能やインターネットの話題で冷たそうな雰囲気の内容ですが、次の世代に向けて書かれているこの本に、あたたかさを感じてしまうのは、僕だけではないはずです。筆者自身も、幼い子どもがいて、学生さんやその子のことを背後に感じます。 若い人なのに、見習いたい考え方が散りばめられていて、惹きつけられて読んでしまいました。

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新しい時代の言語学習とは

もちろん、英語を習得することに否定はないですし、これからも滞りなく意思疎通をしていく上では、英語は必要でしょうが、これまでのように、マストなスキルではなくなっているのかもしれません。なぜなら、技術の向上でリアルタイム翻訳が、すごく便利になるだろうからです。

同時通訳さえも、人工知能の仕事になるでしょう。今でさえ、写真に取った英語の本のページを、グーグルが一度に翻訳してくれます。カメラの画面に写すだけで、記録しなくても翻訳が出てくることには驚きです。

そういった社会において、グーグル翻訳に意味が通るように、ロジックを適切に組み立てられる母語の能力のほうが価値があると問いています。

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日本語が下手なタレントを笑う日本人

さらに、日本人特有の日本語が母語でない人たちへの差別意識も指摘しています。なるほど、テレビでは外国人タレントが少しおかしな日本語を話すことで、笑いを取って人気を得ていますが、はたしてこれは、国際感覚として、世界を相手にする私たちにおいて、本当に望むべき姿なのでしょうか。

だから日本人は、自分の下手な英語を人に聞かせようとしない。それで、外国の人を物笑いの種に使っているから。閉じた世界に生きているのでしょう。それに気づかなかった僕自身も反省です。

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それをあなたのコンテンツと掛け合わせると何ができる?

言葉は道具でしかない。その道具で何を表現し、何を実現したいのか。僕自身が、大学生の時に、英語部で必死に他大学の人たちと話していたことを思い出しました。自分もそういうことを大切にしていたのに、すっかり忘れていました。

あなたの話が聞きたい、そして、それを自分の持っているコンテンツと組み合わせると、どんなことができるかを一緒に考えたい。それが、多様な人達が協力して実現するプロジェクトの醍醐味です。

最近、教員研修などでも、ワークショップの流行で、自分のコンテンツをしっかり発信しないまま、参加者に考えさせる体の研修会があります。けれど、それは、あなたの話に興味をもって集まってくれた人たちに失礼です。しっかり自分のコンテンツをプレゼントするところから始めて、それで集まってくれた人たちと一緒に考えるような会を作っていきたいと思っています。

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君の夢中になっていること僕のとで、何ができる?

学校でもこうでなくてはなりません。「君に夢中になっているそれと、僕の夢中になっているもので、こんなことができると思うんだよね!!」という学習を作っていきたい。それが、学習多様性を考えることで、道がひらけてくるように思います。 これからの社会が多様性に満ちた社会であるのならば、これからの社会を生きる子どもたちは、これからの社会のモデルとなる教室で学ぶべきで、それが多様性を担保した学習スタイルなのだと思います。

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教育の力を信じる

コンテンツの発信だけなら、YouTubeでもできる。でも、マインドセットは、人間によって育まれるものだと思っています。主体者意識、責任を持つ喜び、市民性、しなやかマインドセット、CAREの精神、協働、自立。こういうものは、絶対に人工知能には教えられないんじゃないかな。これを教えられるのは、人間。だから、何かを犠牲にしてでも、こういうことを育む場所に、学校もシフトしていかなければならないと思います。コンテンツベースでは、人工知能のほうがよっぽど効率よく教えられるのでは。コンテンツを通して、マインドセットを育てることが、これからの学校の目的になるでしょうね。

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