子どもと山小屋に泊まる
先週、奥多摩の雲取山に登ってきました。標高2,017m。2,000m超えを果たした喜びもひとしおだったのですが、それよりも印象にのこったのが、三条の湯という山小屋での時間でした。子どもと一緒にこういった時間を過ごせて幸せだと感じたのです。今日はそれを紹介したいと思います。
偶然一緒に泊まった人と語り合う
山小屋というのは不思議なもので、一緒に泊まった人と自然に会話やお酒を楽しめる場所であるように思います。特に、今回お世話になった三条の湯の方々はみな親切にしてくださって、うちの子も本当に楽しそうにしていました。
山小屋はケイタイの電波も入らず、部屋は早めに休みたい人がすでに寝ているので、自然とみんなが食堂に集まります。そこでは、これまでの登山の体験を聞かせてもらったり、キャンプ泊の魅力を教わったり、子どもはギターやアボリジニーの楽器で遊ばせてもらったりと、初対面の人とでも温かなかかわりができました。
子どもはうち以外はなく、子どもなので、登山をしていることをすごく褒められ、うちの子は天狗になっていましたが、それはそれは、本当にありがたいことです。
どんなに高級なホテルでも、やっぱり話をするのは家族が中心になってしまいます。けれど、この山小屋という空間は、どこか、一緒に泊まった人が家族同然のようにかかわってくれて、一緒にお酒を飲んだり、遊んだりしてくれます。
ゆったりと過ぎる時間に身を任せ、夜は更けていきます。電球の灯りに照らされた山小屋の食堂で、一期一会の出会いに感謝する。子どもにとっても、大人にとっても、本当に豊かな時間であるように思います。
薪の番をさせてもらい、かまどでご飯を炊く
うちの子に一番楽しかったことを聞くと、「かまどの手伝い」でした。
ちょうどよく、外にあるかまどで、舞茸ご飯を炊き上げるところに居合わせることができました。舞茸は奥多摩の山で取れた天然のものらしく、とてもめずらしいものだそうです。
うちの子は、持ち前の人なつっこさで、かまど番のお手伝いをしたいと、勝手にお願いをしていました。けれど、こころよくこちらのわがままを受け入れてくださり、本当に貴重な体験をすることができました。
お米をかまどで炊くのは、僕も数えるほどしか体験したことがありません。絶対に蓋を取らないこと、焦げの匂いを敏感に感じ取ること、最後は燠(おき)の熱で蒸らすこと。
「はじめチョロチョロ中パッパ、赤子泣いてもふた取るな」という言葉がありますが、それを間近に見られました。
子どもは鼻がいいので、焦げの匂いを敏感に感じ取り、山小屋の方に「焦げの匂いがする!!」と知らせることができました。「〇〇ちゃんのおかげで、美味しいおこげのご飯が炊けたよ」なんて言ってもらえて、うちの子も大満足。ありがたいです。
それにしても、薪のはぜる音を聞きながらビールを飲み、更けていく山小屋の夜を楽しめるなんて、本当に贅沢です。
うえのジャーキーは鹿のお肉です。オーナーが猟をして作るそうです。牛肉のような味わいでした。
心地よい疲れに硫黄の温泉の香り
三条の湯はその名の通り、山小屋なのにお風呂があります。もちろん、普通はお風呂はありません。僕らは山小屋は素人なので、他と比べられませんが、山小屋素人としては、お風呂があるのは本当に嬉しいです。
心地よい疲労感と、硫黄の匂いのお湯で、最高のため息を出すことができます。
うちの子には、ちょっと熱かったみたいです。それでも、山小屋の夜は冷えるので、何度も入れる三条の湯の温泉は、最高の贅沢でした。
満点の星空
1日目の夜、この日は月も満月に近く、夜が明るかったのですが、それでも、星の数は我が家のベランダとは比べ物にならないぐらい見えます。これは、夜が明ける前に、もう一度この星空を見たいと思い、朝4時ころに起きて、星空を眺めました。
東京都といえども、ここは奥多摩のさらに奥。星の見え方が全く違います。ちょうど、流星群も重なっていたらしく、流れ星が一つ見えました。
これをみるだけでも、価値があるように思います。
子どもと山小屋
僕らは三条の湯で、山小屋泊に完全にはまってしまいました。山小屋泊というか、山の中で美味しいご飯を食べて、温かい人達とかかわることの喜びを知ったのだと思います。
他にも、こういう類の山小屋が近くにないか、探してみようと思います。
参考:タイムスケジュール
一緒に連れて行った子どもは小2ですが、保育園の頃から丹沢を歩いているので、登山に不慣れな子であれば、最初はもっと登りやすい山から始めたほうが良いように思います。
東京の山と言っても、やはり奥多摩はそれなりに奥深い山なので、装備や準備が必要です。今回は、うちの子も登山用の靴をやっと買いました。やはり、子どもでも、登山用の靴だと、ガレ場(大きな石の多い斜面)で普通のシューズよりも楽に感じるようです。
0730 出発
1030 奥多摩駅
1100 バス出発
1130 お祭バス停
1500 三条の湯到着
2日目
0630 三条の湯出発
1030 雲取山山頂
1130 下山開始
1600 鴨沢バス停
1630 奥多摩駅
1900 帰宅
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