ちょうどよいゴールを設定して、マインドセットの成長をドライブさせよう

A Mindset for Learning
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ちょうどよいゴールを設定して、マインドセットの成長をドライブさせよう

ダイジェスト

ダニエル・ピンクのモチベーション3.0は読みましたか?

彼は、報酬や懲罰によるモチベーションではなく、もっと本質的な内発的動機づけによるモチベーションの定義を、心理学の専攻でなくても分かるように噛み砕いて書いてくれています。

それは3つに大別されます。

  • Autonomy 自己コントロールできる

自分の学習を自分でコントロールすることが、モチベーションの強化につながります。そういった意味では、一般的な授業では、教師はAutonomyを感じることができますが、子どもたちにその感覚を委ねていかなければなりません。最近の教師は、自分の授業ですらAutonomyを感じられなくなっているので、もっと問題です。

ワークショップは、オウナーシップを意図的にもてるような設計になっているので、この点ではおすすめです。

  • Purpose 目的達成に近づいている

僕がいちばん弱いところです。目的意識、ゴールを設定するということです。人から与えられたゴールではなく、自分自身の目的に向かって学習が進展している状況は、モチベーションの強化につながります。

ただし、子どもたちが具体的にどのようなゴールを設定すれば、学習意欲の向上につながるのか、僕自身ももっと考えなければなりません。今のところは、テーマを設定することによって、目的意識を多少は持たせていますが、これはまだまだ次のレベルがあるように思っています。

  • Mastery 熟達している

自分の学習スキルや探究スキルが向上しているという感覚が、モチベーションを強化します。筆者はクライテリアを活かすことをコラムで述べていますが、どの個人もある程度当てはまるよな汎用的なクライテリアを教師が提示するのか、それとも、子どもたちが自らクライテリアを作成するのか、ちょっとまだ、僕自身も明確ではありません。

トミーとしては、7つの考えるテクニックや、プレゼンテーションのテクニックなどで、明確化して、それをマスターするような手法をとっています。これもまだ、上には上の手法があるように思います。

 

 

 

ハッティのフィードバック論も登場します。

とにかく反復、そして即時的で適切なフィードバックが成長を促すとありますが、言うだけなら簡単です。適切なフィードバックは観察と会話やノート上での対話で学習状況の情報収集が不可欠ですが、この情報収集をもっと効率化していかなければなりません。

もうすぐ出版される、「スパイダーウェブ」の本では、カンファランスや観察を記号化して、情報収集する手法が紹介されていますし、カンファランス記録用の教師用ワークシートは、いろいろな本で例示されていますので、僕自身も試していきたいと思います。

僕は、カンファランスノートをお医者さんのカルテのような感じで書き溜めています。子どもたちの振り返りシートや、出口チケットなども重要な情報源です。

ハッティのこの本はいつか読みたいです。ブッククラブしたい。

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以下、時間のある人用

 

9, Goals: Creating Just-Right Goals to Drive Growth

They can drive us to be courageous, consistent, and mindful. But goals can also leave us dragging ourselves-literally or figuratively-across a finish line. Mention New Year’s resolutions to a group of friends in February, and groans will surely ensue. At times, goals feel as though they just serve to highlight our mistakes and failures.


ゴール設定の負の側面にも言及しています。ゴール設定には、しっかり教師のケアが必要であるということでしょう。ゴール設定こそ、子どもたちについての理解が不可欠です。

 

Goals can have a powerful impact on how we live our lives. They require us to engage the entire constellation of stances as we set and work toward outcome. Yet perhaps most importantly, they provide our students with an opportunity to develop their own agency and identity in our classrooms.

 

この文章はとても考えさせられます。たとえば、僕が実践している歴史家の時間で、ゴールを設定するというのはどういうことなのでしょうか? 良い発表をしたい、自分らしい探究を行いたい、というのは、個人個人が抱いていることだとは思いますが、「◯◯を解明したい」や「◯◯のために、考えを整理したい」など、具体的な目標設定は、なかなか難しいです。「なんのために歴史を学ぶのか」という根本的な問に直面してしまいます。僕の中で、その問を整理する必要もありますし、子どもたちにも今こそもう一度投げかけるべきなのかもしれません。

(僕自身は、今を見る視点を与えてくれるのが、歴史なのだと思っています。)

 

Leveraging Engagement and Motivation with Meaningful Goals

True Motivation: Autonomy, Purpose, Mastery

Rather than rely on rewards (or punishments) to motivate ourselves and our students, Pink suggests we will see true motivation, true drive, if we create goals with our students that allow them to have autonomy, purpose, and mastery in their learning.

 

ダニエル・ピンクさんの、モチベーション3.0に関する記述ですね。以前、この本は、デシ研究の刷り直しであると教わったことがありました。けれど、若い僕にとっては、この本は、すごく画期的な本であったことを覚えています。

 

Autonomyという点が、日本の実践には最もかけている部分かと思います。目的や習熟があっても、Autonomyがないと、目が死んでしまいます。

 

Small Steps Lead to Big Changes

When we set a goal, the smaller the gap between what we can do and what we want to do, the more likely we are to meet that goal and then begin our work toward another.

 

この小さなギャップの感覚を、子ども自身の感覚と教師の観察とで、より客観的に判断し、より良いゴール設定を導いてあげることが大切ですね。教師が丁寧に子どもたちについての情報を集めていかないとできませんし、子ども自身の気持ちを尊重してあげないと、そこにオウナーシップは育ちません。コントラクトの手法は一つ手がかりになると思います。

 

Hattie and Yates describe how deliberate, goal-directed practice is key to growth: “Performers are presented with tasks initially outside of current performance levels, but which can be mastered within hours by focusing on critical aspects and refining technique through repetition and feedback”

 

ハッティのこの本を読んでみたいと思っていました。ちょっと高いので躊躇してまだ買っていませんが。

反復とフィードバック

 

This goal cycle (set, practice, get feedback, revise) allows us to get a just a little closer to mastery.

 

僕の実践は、やっぱりフィードバックが常に得られる環境を作るべきなのかもしれません。これまでは個人での探究の場面を多くしていました。これはこれで、「自分でやってみる」という点で必要なプロセスだとは思いますが、これからはペア探究でフィードバックを交換試合、また、ペアチームからのフィードバックも得られるようにしたいなあと思いました。

reviseの視点は、フィードバックからこそ得られるものなのだと思います。

 

As teachers, we keep each child’s bridgeable goals and the child’s work toward mastery in our minds simultaneously. We think about what can propel students forward today and what kinds of writers, mathematicians, thinkers, and people we want them to be in twenty years.

 

良い表現ですね。僕もいつも10年後の理想の未来を実現するための教室という視点で物事を考えるようにしています。変化が早い昨今、10年後の未来さえも、予想するのは困難です。

 

JOHN HATTIE AND MARK GAN’S PRINCIPLES OF EFFECTIVE FEEDBACK

  • Feedback becomes powerful when it renders criteria for success in achieving learning
    goals transparent to the learner” (70). When you’re giving feedback, be sure that the student understands the ultimate purpose of her goal and what it will look like when she has met that goal.

クライテリア。有効なのはわかりますが、難しいです。たくさんの子が活用できる汎用性の高いクライテリアを作るのは、やっぱりいろいろな探究を観察しないと作れませんし、経験のある優れた教師しかできません。しかし、フィードバックを得ることを、教師の力に頼らずとも行うためには、この段階的に示されたクライテリアが有効で、これがあれば、自分の力だけでフィードバックを得たり、クライテリアを理解した友達から効果的なフィードバックを得たりすることも可能です。カンファランス不足は、学習環境と学習システムで補わないと、学習が未熟になってしまいます。

 

Pairing Optimism and Resilience in Writing: Window into Third Grade

ケリー先生はグラハムのノートがページに数行しか書かれていないことに気づきます。グラハムはストーリーテリングの場面では、よく話せる子なのに、ライティング・ワークショップでは、なかなか書けていません。ケリー先生は、ちゃんとカンファランスをしようと臨みます。

カンファランスをしてみると、グラハムはサッカーでプレーを変える必要のあるブランドンにアドバイスを送りたいと考え、彼のために作品を書いていることが分かる。

「目的意識」

 

グラハムは章立てはできているのですが、そこにはそれぞれ数行しか書かれていない。ケリー先生はまず、章立ての力を褒めている。ケリー先生の質問。あなたが本を書き終わって、ブランドンに本を手渡すときに、どんな本になっていると思う?グラハムは、もっとイラストや図表が入っていると思うと答える。

 

グラハムはたくさん書くことの難しさをケリー先生に吐露する。

ケリー先生は、どんな優れた作家でも固まってしまうことがあるということを伝える。コンステレーションマンのイラストを取り出させる。オプティミズムとレジリエンスで作家の停止を打破することを目標にしようと投げかける。付箋にその目標を書かせる。ケリー先生はカンファランスノートにメモを書く。

 

ケリー先生は、グラハムに作家の停止に出会ったふり(ロールプレイ)をさせる。付箋を見て、セルフトークを確認し、その立ち直りのデモンストレーションをさせる。

 

Moving from Idea to Action

 

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