映画『MINAMATA-ミナマタ』を見てきました

思い巡らし

MINAMATA-ミナマタを見てきました

初めて5年生の水俣病について教材研究したのは、15年くらい前のことになります。横浜市中央図書館には、水俣病の古いドキュメンタリーのVTRが保管されていて、それを初めて見た時に、衝撃を受けたことを覚えています。死んだ魚が打ち上がる水俣川、笠を被って工場を取り囲む人たち、そして、水銀の被害を受けた子どもたちの目。当時は経験も浅かったせいで、水俣の学習もいろいろやりました。学習の最後に、JAあしきたからサラダ用の玉ねぎを注文して、みんなの前でドレッシングをかけて食べました。

思い出を掘り起こす

私の父は、養護学校の先生でした。たくさんの重度・重複障害や肢体不自由の子どもたちを夏休みに、何人かの先生と一緒に泊まりがけて海水浴に連れていく活動をしていて、僕も幼い頃から中学生頃まで一緒について行っていました。ユージン・スミスが、水銀による障害のある子どもの面倒をそのお母さんが買い物に行っている間に面倒をみるシーンがあるのですが、あの光景で私は、かつてのその海水浴のことを思い出しました。同い年の重度重複障害の子を、抱きかがえながらお風呂に入れたこともあって、まさに、あの有名な写真と同じ構図でした。

教科書の上で、公害はどんどんクリーンになっている

現在使われている教科書は、公害病の取り扱いが昔よりかなり薄くなっているような気がします。昔は、しっかり水俣病を探究できる枠があったように思いますが、今の教科書は北九州の喘息をさらっと数ページで俯瞰する程度。帰着はお決まりで、もうすっかり解決したような書き振りになっています。国や地域が批判の対象にならないような意図も感じます。

福島の原発事故、フリントの水道汚染、タンカー座礁の原油被害。思い起こせば、今でもたくさんの公害が起こっています。そして、その度に、便利すぎる自分たちの生活、環境破壊、隠された差別意識など、天を仰いでため息をつきます。子どもたちと一緒に大人が起こした公害を考えることは、教師の必要悪なのかもしれません。

公害の悲惨さと人間の美しさと 写真家ユージン・スミスの妻、アイリーンさんが水俣で共に感じた鼓動
水俣病を世界に知らしめた写真集の物語を映画化した『MINAMATA』が9月に公開されます。 写真集『MINAMATA』も、近年は非公開となっていた代表作「入浴する智子と母」と共に復刊。写真家ユージン・スミスと共に水俣に移り住み、真実に迫ったアイリーン・スミスさんに今、伝えたいことを聞きました。

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