宇野重規『民主主義のつくり方』

宇野重規『民主主義のつくり方』 大人のための読書記録

宇野重規『民主主義のつくり方』との出会い

きっかけはこれ

radiko
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若林恵さんを、ちょっとシニカルでかっこいいなあと思っています。

こちらをいつも試聴させてもらっています。

こんにちは未来
個人ジャーナルポッドキャスト · 1本のエピソード

 

「あなたの授業は民主主義でない」

 民主主義といえば、「あなたの授業は民主的でない」と指導主事に言われたことがあって、結局意味が分からなくて、民主主義ってなんだろうというテーマができたように思います。角川ソフィア文庫から出ている『民主主義』と言う本は、昔の文部省が中高生ぐらいの読者向けに書いたそうなのですが、これがめっちゃよくできていると思っています。1948年、当時の中高生向けの本に、完全に僕は教わっていました。日本国憲法が施行され、文部省の方々が、どれほど高い理想を描いて、この民主主義を日本に広めようとしたのか、感動すら覚えたことが蘇ります。

プラグマティズムをまとめてみる

 南北戦争では、奴隷制の考え方やこれからのアメリカ産業の歩み方などでさまざまな価値観が対立した。人口の2%が戦争で亡くなったそうだ。血で血を洗う戦争で気づいたことは、絶対の真理や正しい答えなどなく、それを主張する側同士が対立して、多くの犠牲が伴う。どちらがただしいかの論戦はもうやめて、どちらもある意味で真理を含んでいるし、どちらであっても構わない。ただ、その真理を実践してえられた結果が大切で、その結果の湧き水が集まって川の流れ(習慣)になり、民主主義が動いていく。たくさん議論して失敗しながら、民主主義を進めていこう。というものがプラグマティズムである。(私個人の勝手な解釈も含まれています)

十分プラグマティックなこれまでの自分

でも、プラグマティズムを「ちょっと当たり前っぽいなあ」と思ってしまいました。それは、自分が日本という平和な世の中で、十分にトライ&エラーを認められているからなのか。それとも、正解がないということを前提として、先輩方々が僕を育ててくださったからなのか。

学習指導要領を経典のように扱って、その制作者がどのような意図で作っているかを読み取っていく原理主義っぽい教育観もあるけれど、僕の場合は、指導要領をしっかり読み込んでいる方々の意見を否定しないで自分の中で部分的に取り入れつつ、やっぱり「自立的な学習者」という理想を形にするとどうなるかという学習の形を具現化していくことを、考えて自分なりに形にしてきた経緯があります。

これまで、十分にプラグマティックにやれてきてしまったんだなあと。振り返ってしまいました。

とはいえ、民主主義としての経験を積めているかといえば、微妙。選挙は行くが、選挙以外の政治参加や政治行動をほとんど行ったことがなく、民主主義レベルについては、まだまだ研鑽が必要です。

「習慣」の語義の拡大

「習慣」という言葉に、これほどの深い意味があるとは知りませんでした。自己啓発本界隈の意味でしか捉えられていなかったので、とても勉強になった。

習慣は「人と人を繋ぐメディア」ということで、民主主義そのもの。知識を個人的なものではなく、ソーシャルなものとして捉え、その潮流を習慣として考え直しているところに、自分にとっては新しさを感じた。

ビジネス書ばかり読んでいてはダメだなあと反省。

駒崎さんの登場は嬉しい

ソーシャル・ビジネスの駒崎弘樹さんは、僕も著書を読んで、マナティー研究所もこうありたいと勉強になったので、宇野さんが駒崎さんを登場させて、現代のプラグマティズムの具体例としてあげたことは嬉しかった。ソーシャル・ビジネスの考え方は、もっと学校現場に入ってきていいと思う。学校も、予算を消費するだけでなく、資源として循環させる仕組み(もしくは教育環境)を取り入れていったほうがいいように思う。

次に読みたい本

柄谷行人さん。難しいかなあ。

これは新評論からもらったので、表敬訪問する前に読みたい

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