今までこういうジャンルの本を読んだことがなかったので、最新の科学では今まで常識だと考えられていたことがどんどん覆っていることに興奮しながら読むことができました。まだ、最新医学熱が収まっておらず、いろいろな本を芋づる読書しているところです。
書かれている詳しい内容は、僕が書くと変なふうに伝わってしまうことが心配なので、もっと知りたい方はあえて「読んでください」というふうに、この本に託したいと思います。
この本を読んで、自分の生活がどう変わったかをまとめてみたいと思います。
1,白米をやめて玄米にする
まず、劇的に変わっことが、白米をやめて玄米に変えたことです。パンもできるだけ、精製されていない小麦粉をつかった物に切り替えたり、砂糖も白くないものにできるだけ変えたりしています。というのも、現代人が腸内細菌のバランスを保つためには、食物繊維がとっても足りていないようです。腸内細菌のバランスが崩れることにより、現代病と言われているあらゆる病気の引き金になっているようで、僕も意識して食物繊維を取るようにしました。玄米も炊飯器の「玄米活性」で炊くと、白米に負けず劣らずおいしいことが分かり、玄米ご飯を楽しんでいます。
2,抗生物質を意識する
抗生物質は人間が悪い細菌と戦ってきた歴史の中で、革命的な役割を果たしてきたことは言うまでもありません。けれど、いろいろな伝染病が抑え込まれている今、抗生物質の薬害について、素人のわたしたちも考えていかなければなりません。腸内細菌が住む腸内環境は、例えて言うなら熱帯雨林。抗生物質はその中で、悪い菌だけをやっつける薬ではなく、熱帯雨林に上空から農薬をまいたり、焼き畑したりするようなイメージで、腸内の細菌のバランスを崩していきます。ですので、特に、幼い子どもが抗生物質を使った場合、のちのちのアレルギーであったり、心のバランスであったり、肥満であったり、いろいろなものに影響を及ぼす可能性があるそうです。
抗生物質を与えた家畜は、病気にならずによく太るそうです。しかし、残留抗生物質が残ったお肉や、その家畜の糞を使った有機農法による野菜など、直接抗生物質を飲まなくても、普段の食事から抗生物質を取り込んでしまうことがあるそうです。とりあえず、地産地消を大切にしようと思いをあらたにしました。
そもそも、そんなに腸内細菌って大切なの?
人間の遺伝に関わる染色体はそれほど多くない。46本。なんと、ゴキブリは47本。ゴキブリに負けている。人間の設計図は他の生物と比べて多くないのは、体の機能のあらゆる部分を、体全体の細菌たちにアウトソーシングしているからなんだそうです。体に必要な栄養素を腸だけでは吸収できないので、そこに細菌の力を借りる。皮膚だけでは体を守れないので、そこで皮膚の細菌の力を借りる。そうやって、人間は細菌と持ちつ持たれつの関係を築き上げながら、進化の歴史を歩んできたそうです。
なんと、性格や気分も腸内細菌の出す物質が影響をしているそうです。つまり、この本のタイトルである「9割細菌」というのは過言ではなく、わたしたち人間は、言い方を変えれば、細菌の乗り物だそうです。だから、細菌を裏切ることは、自分自身を裏切ることと等しいということ。
ところが、20世紀中頃から、細菌は一気に悪者になってしまった。細菌では、あまり悪さをしていない細菌まで、除菌されたり、抗菌されたりして、その細菌の生育環境を人間自身が変えてしまっています。抗生物質がその典型的な例。
現代病と言われるいろいろな病は、自分自身を自ら傷つけることが特徴だそうで、つまり、細菌と仲が悪くなってしまった人間の体がうまく働かなくなってしまったことが原因だそうです。
3,身の回りの洗剤・石鹸などの薬品を見直す
食器洗剤、ハンドソープ、石鹸、洗濯洗剤、歯磨き粉、いろいろありますが、それらを使いながら、本当にわたしたちの体やわたしたちの細菌と仲よくできるかどうかは、見直してもいいと思います。衛生環境を蔑ろにしようというわけではなく、過剰に使うことで、自分自身の大切なパートナーである細菌を追いやっている可能性があります。
これを読んで思い出したのが、タモリさんは石鹸を使わないといいとも!で話していました。消毒はしないほうがいいというお医者さんもいます。いろいろつながってきます。
4,母乳の大切さを知る
赤ちゃんが生まれたので、これについては、本当に考えをあらたにしました。ミルクの方が楽でいいじゃん、たくさん飲ませればいいじゃんと思っていましたが、そういうわけでもなさそうです。
母乳の中には、赤ちゃんの未熟な腸内細菌を熱帯雨林化させる糖が入っていること。そして、意図的に母乳にはお母さんの腸内から運ばれてきたいろいろな菌が入っているそうです。それを、お母さんは受け継ぐべき財産として赤ちゃんに委ねている。腸内細菌が、性格、気質、体調、機能いろいろな面で人の体に影響をしているのであれば、遺伝以上に親から子へと引き継がれる財産になります。もちろん、一緒の家で生活している家族みんなが細菌を共有しあっている。そうやって、少しずつ赤ちゃんは自身の腸内環境を豊かにしていくようです。WHOも相当に母乳育児を推奨しているようで、詳しくはいろいろな情報ソースを見てください。
とはいっても、うちの奥さんも母乳だけで育てるのは大変と言っていたし、いろいろな家庭があるでしょうから、最適解が「母乳のみ」というわけにはいかないでしょうね。でも、子どもを育てる親が、しっかり知っておくことは大切です。
5,細菌と仲良くする
細菌を悪いヤツと認識して、過剰に反応していしまうのは、逆に自分自身のバランスを崩してしまうことになることが分かりました。自分自身の中に、豊かな細菌の熱帯雨林を築くことが、身体の健康だけでなく、気持ちの健康にもつながる。そして、これからの子どもたちに、心身の健康を譲り渡していくことができる、ということです。
自分は自分だけで生きているわけではないんですね。関係性の中で生きている。それは、人間関係だけでなく、自分自身の体もそうであったと目から鱗の本でした。
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