教師がもつべき5つのスタンス 後編 ねばり強く 相手の気持を考えて

A Mindset for Learning
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教師がもつべき5つのスタンス 前編 前向きに いろいろなやり方で 失敗からしなやかに

ねばり強く Persistance

 

Persistence in relationships can be an unhealthy approach; imagine the time you worked and worked at a relationship that just seemed to go nowhere.

ここでは関係によっては、Persistanceは害になると言っています。ここの英文のニュアンスがなかなかとらえきれない。

逃げられない、避けられないタスクを背負わされて、「忍耐だ!!」と言われても、それでは子どもは育たない。それどころか、自分の安全をどうやって守ろうか、心を固くして身を守るスタンスになってしまう。そういうことだと思います。

僕はこれを聞くと、昔の運動部を想像してしまいます。

Doggedness in the face of clear callousness, disregard, or unrealistic expectations is damaging to a degree beyond measure. There are some things you should just let go.

自分の身を守るためには、耐えるしかない。でも、耐えることが成長につながるというのは、すごく前近代的な考え。星飛雄馬の世界です。そして、野球だけ没頭できれば幸せになれる世の中でもない。激しく変化し続ける世の中で、「忍耐」している間に、周りの風景がガラッと変わっているということは、ありえそうです。目をつぶって安全を守り続けていたら、もう誰もいなかった、みたいな。

 

Anders Ericsson defines this type of practice as “deliberate practice.” By trying something over and over again – even in the face of setbacks – students can harness their grit to propel their growth.

 

the researchers found that teenagers who wanted to make a positive impact on their community or society found their schoolwork to be more meaningful

意味の感じられるものでないと、persistanceを発揮することはできない。意味のないものでは、ただの苦役。

この意味は、人から与えられたものではなく、自分から見つけ出した意味でないとだめでしょうね。先生が「これは意味があるから、やりなさい」では、子どもが意味を見つけていない以上、どんなに世間的に意味のあることもでも、苦役になってしまう。

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When students see the link between the task at hand and their potential future impact on their community or society, Yeager reports, their “grittiness” actually increases.

「今のタスク」と「社会やコミュニティにおける潜在的な可能性のインパクト」の間につながりが持てれば、子どもたちは我慢強さを育むことができる。

子どもの嗅覚は鋭くて、世間的に意味のないものでも、これからの時代に意味のある者にはしっかり、意味を感じ取る嗅覚を働かせて、意味を嗅ぎつけます。

たとえば、ゲーム。これからは、ゲームがもっともっと力を増してきます。ゲームという仮想空間の中で生活をする人が登場します。ゲームの中でお金を稼ぐ人、コミュニティを築く人がもっともっとふえるでしょう。子どもはもうそれを先見しています。子どもが片時も離さずスマホやゲームをしているということは、僕は子どもは嗅覚でそれを嗅ぎ取っているのではないかと、肌寒い未来を感じてしまいます。子どもの第六感は、未来を見通すスコープなのです。

話題がそれてしまいました。

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相手の気持を考えて Empathy

作者は、このEmpathyを他の4つよりも一段高く置いています。共感することが、学習コミュニティを生み出すもっとも大切なスタンスであると考えているようです。

 

A beginning definition to use with children is You have empathy when you feel someone’s feelings in your own heart.

子どもはもともと、とても高い共感力を持っていると聞いたことがあるのですが、これを読むと、あまりあてにならないのかもしれません。先生が無自覚では、共感力は育たない。

これまででてきた5つのスタンスは、子どもがもともと持っているものであると考えがちですが、教師としてそれをpracticeすることが書かれています。教師が気付き、育む場を作ることが大切というわけです。5つのスタンスを育てられる教師が、プロですね。5つのスタンスが身に付けば、学習内容など後からついてくることでしょう。

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Empathy, in the words of Daniel Pink in A Whole New Mind, “is the ability to stand in others’ shoes, to see with their eyes, and to feel with their hearts”

この人の靴を履いて考えるという表現は、適していますね。Projectアドベンチャーのアクティビティにも、人の靴と実際に交換することで、その場所から考えてみるというものがあったように記憶しています。

 

As teachers, we must stay cognizant of the future world we are contributing to. Who do we want in the world? What do we want to foster in our students? Empathy is first and foremost about connecting to and understanding others.

共感性のない教室は、他の4つのスタンスを身に着けていても、意味のないものになってしまいますね。未来の教室を作っていく上で、もっとも大切であると語っています。

Empathetic children will fight for social justice, equality, and fairness in the classroom, just as we hope they will one day do in the world. Empathy, like every other stance we mention, can be taught starting first, like all the stances, with awareness.

 

このawareness気付きというのは、5つのスタンスよりも大切な位置づけであると解釈しています。先生がそれを見つけないと、5つのスタンスを引き上げようと思っても、気づかないわけですから。

赤ちゃんができると、同じく赤ちゃんを連れている親に目が行くように、自分の意識が変われば、気付きの範囲や焦点が変わってくる。僕らも、5つのスタンスを積極的に言語化し、シェアし、5つのスタンスのオーナーシップを子どもたちに委ねることで、気付きの力を増していかなければなりません。

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探究の支援と観念の指導のバランス

Introducing the Stances: Guided Inquiry and Concept Construction

The key to all of this work, however, rests in how the stances are introduced and to what degree students can take ownership of the concepts. To that end, we recommend a balance between guided inquiry and explicit concept instruction.

 

何より教師よりも、子どもたちが5つのスタンスをものにしなければならない。自分のものとして身に着けなければならない。先生が口うるさく言っていても、それはものにならないでしょう。先生自身がその身で表現していかないといけない。

「ガイド」と「指示」のバランスとありますが、どちらか一方ではダメということですね。特に、僕の場合は、「ガイド」だけではダメというところが響きます。しっかり「伝える」、というところを大切にしていきたいと思っています。

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