自己への語りかけ:生産的な自己対話を教えて、レジリエンスの習慣を身に着けよう

A Mindset for Learning
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自己への語りかけ:生産的な自己対話を教えて、レジリエンスの習慣を身に着けよう

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Self-Talk: Creating Habits of Resilience by Teaching Productive Inner Dialogue

セルフトークで自分自身を観察する

ついに第6章です。

この章は、Self-Talkがテーマ。再びヴィゴツキーからの参照がとても多い章のようです。大人も子どもも、内面の自分が自分に向かって語りかける場合があると思います。「トミー、今は怒らないほうがいいぞ!!」とか、「トミー、ちょっと落ち着こう」とか。その自己への語りかけを、ポジティブなものにすることによって、内省が深まったり、感情をポジティブにコントロールすることができるという具合です。

この本では、子どもの観察がとても大切にされてきています。子どもを観察することで、次の一手を考えたり、子どもを観察することでラポールの糸口を見つけたり。

けれど、ここではおそらく、教師自身が自分自身を観察する。セルフトークという切り口で、自分自身を観察し、前向きな方向への一手を模索していくという内容なのだと思います。(また全部読んでないので)

おもしろいテーマですね。自己啓発本では良くあるテーマでしょうが、教師が書いているセルフトークの本という切り口がとても面白いです。

 

We often tune out our self-talk to a steady hum in the background until moments of stress, when we turn it up. Think of a time recently when you were under stress, not necessarily bad stress, just a time when you were working harder than usual.

僕なんて、自分の内なる声をまだ客観視もできていない状態です。ひよっこですね。自分の感情を少し高い視点で見る余裕があると、大人。ときどき、熱くなったり、冷え込んだりしてしまい、内なる声を俯瞰して捉える心の持ち方が緩んでしまう。

 

Sometimes the only thing that stops us is us—that little voice in our mind that says: You can’t. The shocking thing is that we are in charge of that little voice, and when we discover we have the power to change our self-talk, we can change our life. We can also help our students develop internal voices that help them instead of holding them back.

教室での実践も同じですよね。自分の内なる声が、外からの声に聞こえてしまう。まあ、実際に内なる声が外からの声になり得るのですが、外からの声がまだ聞こえてもいないのに、自分の声で、「この実践は無理だよね、現場では」となってしまう。うーん。自分のことですが。

 

自己への語りかけをポジティブにすることによって、仕事も明るくなるし、表情も前向きになる。思考がクリアになる。次の節で、まずは、子どもにそのポジティブなセルフトークを教えようという内容に入っていきます。

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Laying the Neural Roadways That Lead to Productive Self-Talk

 

In her book How to Stay Sane, Philippa Perry references self-observation as a way to change patterns of thought, stating, “the neural pathways that promote toxicity will be used less and will gradually shrink, while those that promote empathy and awareness will grow” (2009, 36).

トミー超意訳

自己観察が上手になれば、毒にしかならない神経回路(こちこちマインドセット)は使われなくなって縮んでいき、共感や気づきを高める神経回路(しなやかマインドセット)が成長していく。

セルフトークもセルフに留めていないで、書き出していけばいいのだと思います。

子どもの観察に加えて、自分自身の観察ですね。なるほどと思いました。僕はこれが、下手だと思います。振り返りとか、好んでやる人もいるのに、僕自身はそうでもないですから。振り返りもせず行動してしまう感じ。行動したらよく振り返られればいいのに。

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Talking Is Thinking

語りかけることは、考えること。

「書くことは、考えること」と同じです。

 

Vygotsky referred to this as “private speech” (Bodrova and Leong 2007, 68). We should listen closely to what children say because it is a powerful indicator of what they will later think. A teacher who promotes a certain kind of talk is simultaneously promoting a certain kind of thinking.

自己への語りかけは、振り返りですね。

自己への語りかけの仕方を子どもたちに教えることによって、思考力を育てることができる。

もうこれは、教科の内容ばかり教えている場合ではないですね。教科書を見ている場合ではなりません。マインドセットができれば、子どもたちは、自分自身でしっかりと学んでいける存在に成長できます。

けれど、知識・情報は消費財ですから。テストや受験が終われば役目終了? バージョンアップしたり、アップデートしていかないと、固定的成長観につながってしまう。新しいことを知ろうとする欲求や、そのための道具を身に着けさせてあげねばなりません。

 

Alexander Luria, a colleague of Vygotsky, argues that private speech actually helps children make their behavior more deliberate (Luria, 1969). In a series of experiments Luria found that general directions, such as “Squeeze two times,” did not have an effect on the behavior of young children. Children would squeeze any number of times. However, when children were taught to say “Squeeze, squeeze” and this private speech was directly paired with action, the private speech helped children to control their behavior. (Bodrova and Leong 2007, 69)

セルフトークは、子どもたちの行動を故意的にする。

たしかに子どもは、自動的なことが多いですからね。自己への語りかけによって、自分の意志が介在できれば、子どもも深く考えられるかな。

2回スクイーズするという指示で何回やるか忘れてしまっても、「スクイーズ・スクイーズ」と自己への語りかけをさせれば、正しくできる。まあ、そう簡単でもないような気はしますが、セルフトークの重要性はよく分かります。

 

Luria’s research demonstrates that there is a difference in a child’s action when you say something to a child and say something in a way that mimics a child’s private speech. (Bodrova and Leong, 2007, 69).

「マネ」というのもポイントだと思いました。子ども自身が頭のなかで概念化したプライベートスピーチを「マネ」ているということだと思います。

In Vygotsky’s definition, inner speech is what children would previously say out loud to themselves, but they just no longer need to verbalize it to hear it (Bodrova and Leong 2007, 70). Verbal thinking is when the pathway laid down by private speech and inner speech becomes a superhighway.

ちょっとむずかしい。inner speechとVerbal thinkingは同じものとしてとらえていいのかな?

自己への語りかけは言語的思考につながり、それがスーパーハイウェイになる。そんなに自己への語りかけはすごいのですね。

子どもにさせることとして書かれていますが、教師自身の内面への語りかけをモデルとして示していかなければなりません。読み聞かせの一つの手法である「リードアラウド」ともつながります。

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Deconstructing Superhighways of Doom

ネガティブな内言をアンラーンし、ポジティブな内言にリラーンするということです。そういう意味で、Deconstructingという言葉を使っています。Doom、まさに運命を左右するような、「学び直し」なわけです。

でも、学び直しをするのでなくて、幼い頃からポジティブな内言を促すようにコーチングしてあげたならどうなるのでしょうか?

 

When a child has developed negative internal chatter, and that internal chatter has become a fast-moving highway, the teacher and the child have to first deconstruct the negative neural pathway and reroute a more positive pathway through spoken self-talk, then private speech.

これは学習内容よりも遥かに大切な教師の仕事、いえ、子どもに関わる大人たちの仕事です。この子の運命や未来の運命をも左右するかもしれない、大切な役割です。これをすべての大人が同じマインドセットのもとでできたならば、大人にとっても子どもにとっても素晴らしいコミュニティができますね。理想郷過ぎるでしょうか? 

 

Consider unlearning a bad habit and relearning a new one. For Kristi, it was her sidearm throw in baseball. Correcting her form took a constant vigilance as she reset her body and her mind to the new position, as opposed to the ease of her old stance.

悪い習慣を消すのはとても時間がかかりますね。大人ならなおさら、子どものうちにしなやかマインドセットを身につけられれば、どれほど良い社会がつくれることか。学力とか学習習慣以上に、このしなやかマインドセット、セルフトークを身につける価値がある。

 

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THE POWER OF THE


He found that when they used the pronoun / it often added additional stress, but that “a subtle linguistic shift – shifting from ‘I’ to your own name – can have really powerful self-regulatory effects” (Starecheski 2014).

意図的に三人称を使うということ。トミー!とか、自分自身で発音する。内言も外言も含めて? 僕自身はやってないですね(笑)「トミー、今は怒らないぞ!!堪えるんだ!!」みたいな?やってみよう。まずは、教師がセルフトークを身に着けなければ!!

 

He found that people who addressed themselves by their names were more likely to engage in positive, supportive inner dialogue. By using the third person, participants were more likely to talk to themselves as a rational, caring friend, and that small distance left no voice for an emotional spiral of negativity.

三人称を使うことによって、客観的な思考が身につき、メタ認知できるのでしょうね。なるほどね。考えたことなかったです。

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