カンファランス・アプローチ ワークショップの学び方のエッセンス

ワークショップ

カンファランス・アプローチとは

作家の時間(ライティング・ワークショップ)や読書家の時間(リーディング・ワークショップ)、または、僕が今熱を入れて実践している歴史家の時間も含めて、ワークショップの学び方は、基本的にカンファランス・アプローチという手法をとって進んでいきます。

カンファランス・アプローチとは、教師が一斉指導的に知識を受け渡す教授を行うのではなく、ひとりひとりの子どもたちの学びたいことや、より適切な学習方法、マインドセットの状態をよく知り、その子に合わせて教師が対話をしたり教えたりしていく方法です。

子どもたちは0ではない 活動し続けている存在 体験を持っている存在

ですから、学び進めている子どもたちに伴走するように、教師は声をかけていきます。子どもたちは常に学習中であり、そのベクトル(目標)や状態に合わせて助言や対話を行っていきます。子どもたちは静止状態ではない、というところがポイントです。すべての子どもたちが、自分の目標に向かってユニットで示した学習領域の中で動き続けている状態であり、その一人ひとりに合わせてアドバイスを送ります。

コーチングと似ている

コーチングも地続きの考え方だと僕自身は感じています。クライアントのゴールやニーズを把握し、現在位置を確認して、プロセスへの助言を行なったり、マインドセットを整えたりしていきます。クライアントは静止していません。何かを実現したいという思いを持って臨んでいるし、もう何かを始めているかもしれません。もしくは、壁に直面しているかも。その状況をよく捉えて、アドバイスを送ります。

学習には責任が必要

今読んでいる the mindset for learners に面白い表現がありました。

学校以外の社会では、こういうように助言は受けるけれども、責任は自分でとるという構造は多い中、学校の授業は自分で責任をとることはなく、(かといって学校が責任を取っているわけでもない)そのために、自立的な学習者が育成される機会が奪われているように感じます。じつは、責任を手にしてはじめて、学習は成立するのであって、自分自身のための自分自身によるオウナーシップがあってこそ、学習の本来の意味が顕在化されていきます。

カンファランス・アプローチは、学習の主体者、決定者を明確に子どもと捉え、子どもたちが向かっている目標や成果に応じて、一人一人に応じた効果的な助言を送りながら、学習の責任を徐々に子どもたちに手渡していくアプローチとも言えるでしょう。

ロジャーズの影響を受けた学び方

カンファランス・アプローチの本の中で、スチューデント・センタードという言葉が出てくるのもそのためです。来談者中心療法やカウンセリングで知られるロジャーズの影響を大きく受けている学び方なのだと思います。

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