もっとお金に対して気楽に構える
クラウドファンディングについて知りたくて読み始めたこの本。僕が関わっていくこれからの何かに、クラウドファンディングが何かチャンスを与えてくれるかもしれないと思って、読み始めました。
が、世の中全体が、お金にたいしてもっと気楽に構えられれば、いろいろな人がチャレンジしやすくなる世の中になるのではないかと、夢を持たせてもらえるような本でした。
少し紹介したいと思います。
クラウドファンディングとは?
ざっくりトミー的に言うと、インターネットを通じて、いろいろな人にお金を出資してもらう方法のことです。投資してもらった人は、成功したときにはお礼を用意したり、出資した人におもしろいメリットがあるように準備したりします。
たとえば、僕の身近なところで言えば、ある人を学習会に招待したいけれども、遠方に住んでいるので交通費がある程度かかる。そこで、クラウドファンディングを使って、交通費を出資してほしいと呼びかけ、投資してくれた人には、見返りとしてそのある人から役に立つ資料をもらえるというのをやっていました。
あと、本を出版したいのでクラウドファンディングというのもありました。
形もいろいろあって、近いお友達に限定したり、世界中の人に広げたり。
玉石混交だと思いますが、とてもおもしろい仕組みです。
つながりを生むクラウドファンディング
何が新しいことを始めてみたくて、銀行からお金を借りるとなっても、なかなか実績がないと貸してもらえないでしょうし、銀行と関係がもてても「陸王」みたいにつながっていくことはめったにないのだろうと思います。
けれど、クラウドファンディングなら、個人と個人が結ばれるので、そこにつながりができます。SNSでコミュニケーションを取り続けられる関係になるのです。そうすると、出資をしてくれた人が遊びに来てくれたり、できた商品をおすすめしてくれたり、ひょっとしたら一緒にプロジェクトを進めてくれる強力なメンバーになってくれたりするかもしれません。
クラウドファンディングは、資金はもちろんのこと、起業者とユーザーを結びつけてくれるツールでもあるのです。
「不安がまとわりついたお金」を希望へ
内田樹さんの本で、贈与経済という言葉を知りました。お金ではなく物を贈りあって経済活動が行われること。ご近所さんから野菜をもらったり、お土産を返したり。
老後の不安、子どもの学費の不安、ローンを返せるかの不安、情報がいろいろな不安を煽り、僕たちはお金をもつことでその不安を和らげようとしています。特に、現役を退いた人たちは、「タンス預金」と言われる眠っているお金が、日本ではいろいろなところにあるそうで、その不安がまとわりついたお金を、もっと流動的に、もっと希望のために動かしていければ、日本はもっと明るくなるように思います。その活路を、クラウドファンディングが開いてくれるのではないでしょうか。
そもそも、ここ10年ぐらいで、いろいろな自然災害をきっかけに、そういう助け合いの精神が日本中で芽吹いてきたのではないでしょうか。レストランのランチをコンビニのおにぎりにして、そこで浮いたお金をチャレンジしたい人たちに手渡していくような、そんな気運が高まっているのだと思います。希望に対してお金を出すということに、抵抗感が低くなっている。お金を、「専有する価値」から、「共有する価値」へと、イコライザーが右の方へ動いているように思います。
自分と人の幸せのために、お金は何ができるか
僕は、とにかく「不安」という言葉が、日本中にも、もちろん僕自身の中にも、しんしんとはびこっていてい、そこで価値の停滞、活動の停滞が起こっているように思います。ベーシックインカムのような仕組みが活発になれば、もっと自分が生きるためにお金をもつのではなく、自分も社会も輝けることにお金を出資するほうに、動いてくれるのではないでしょうか。僕たちは、まず、自分自身の不安を整理することから始めて、自分や人の幸せのために、お金はどんな役に立てるのかを考えていかなければならないと思います。
確実に、価値のパラダイムシフトは起きています。
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