トミーの考える青ちゃん 『先生が知っておきたい 「仕事」のデザイン』

あるある会


著者は青ちゃんです。僕の友達です。横浜で先生をやっていましたが、今は「ヒミツキチ森学園」でお仕事しています。

あお先生の教育らぼ
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青ちゃんと僕

青ちゃんと僕は、思い返せば最初は、リーディング・ワークショップを通じて出会った仲間です。約15年ぐらい前かな。SNSなどのメディアもまたそれほど成熟していない時代、まだオルタナティブな学びなんて言葉もなく、学校教育から少し離れた学習に興味があると「オタク」とか「シュウキョウ」みたいな目で見られていた人も多いと思います。ちょっと違う言語を持った先生、みたいな。

そんな中から、年も、家も、家族構成も近いということで、月に1度、振り返りをしたり、新しい情報を交換したりする会「月壱会」というものを二人でやっていました。だから、この本の中にある実践も、「月1回」で見聞きした実践がたくさん散りばめられています。

僕はどうしても、その場で「おもしろい」と思ったものに飛びついて熱が冷めたら終わりにしてしまう傾向が(今も)あるのですが、青ちゃんは「振り返り」とか「ビジョン」とか、ふわっとしていて目に見えず、取り扱いにくいものを、大切に大切にできる人でした。その点で、「月壱会」はお互いの「夢」というか「やりたいこと」を交換しあい、僕は青ちゃんに話を聞いてもらうことで「言語化」(僕は、言語化、モデル化とか抽象的な理解で満足してしまう…)でき、青ちゃんの「振り返り」や「ビジョン」を呼吸のように使うことで、価値のある考えを着実に実践レベルにまで落とし込んでいました。青ちゃんの姿は、教育というよりかは、「どう生きるか」と表現した方が、ピッタリくるように思います。

一般的な読者は、彼の言葉をどう受け取るのかなあと、想像しています。「効率的に」とか「かっこよく」みたいなイメージは持たないでほしいなあ。まあ実際そういう面はあるのですが、本質はそこにないです。

ブログや音声コンテンツをはじめ、メディアを活用した活躍が前面に出ている印象があるかもしれません。僕には、彼の「ひたむきさ」「まっすぐさ」の上に本の言葉が載ってくるので、デジタルっぽい器用さみたいな印象は表層的なものでしかないし、読者はおそらく誤解してしまうのではないかと思います。本の中にもある通り、小さく小さく積み重ねてきたことで、青ちゃんの今があるように思います。僕の考える青ちゃんの「らしさ」を挙げてみたいと思います。

 

1、「ビジョン」と「振り返り」の往還を丁寧に繰り返す

本の主軸はこれで良いかと思います。僕はこれが本当に苦手なので、毎回、青ちゃんの領域に到達できないなあと感じていました。一言で言うと、「努力」なんじゃないかと思います。青ちゃんは、日々の小さな一歩の力、しっかり整っている人間の本来の力を、とても強く信じています。だから、毎日朝早く起きて、自分自身を調律することをとても大切にしています。それが、「ビジョン」と「振り返り」な訳だし、当然、ヨガの資格とかもその志向から生まれ出るものだと思います。

それがよく表れているのが、「タスク」「手帳」ではないかと。だから、「タスク」やれば、「手帳」上手く描ければ、みたいなことは、実はどうでもよくて、自分の中に丁寧に毎日を積み上げられる素養をどうやって培っていくかの方が、よほど大切なのではないかと思います。根本は、本来の自分の力をどこまで信じられるか、波の力を使って無理に成果を出すのではなく、目標へと淡々と小さな一歩で向上していく自分を客観的に見つめて、それを言葉に焼き付けていく作業を丁寧に繰り返す。そういうことなんだと思います。

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2、「人」の話を聞き大切にする

青ちゃんは、「人」を大切にします。今回の、本を届けるプロジェクトもそれがよく表れています。本は人と人を繋ぐ媒体となります。僕はそれをブッククラブという形で活用していますが、青ちゃんは本を届けるという形で、「人」を大切にするという根底にある価値観を発露させているのではないでしょうか。その本当にこれは、学ぶことが多い。僕自身も、青ちゃんに繋いでもらって仲良くしている友達が多くいます。

この志向がよく表れているのが、「一筆箋」の実践です。僕は、本の中でこの実践が一番好きです。ストレートに子ども一人を大切にしていることが直感で分かります。これも小さな積み重ねを日々繰り返すことで、アクが抜けてシンプルな優しさが残っていきます。こういう決して華々しくはないけれど、本当に子ども一人ひとりとの関係を大切にできる仕組み(あえて言えば、ビジョンに向けた自分へのルールみたいな)が広がっていったらいいなあと思います。

 

3、アンテナを高く張る 掴みにいく

アンテナの高さは、僕が青ちゃんと出会った頃からです。ライティング・ワークショップ、リーディング・ワークショップなんて、僕はふわふわ浮いていたらたまたま近くに流れ着いただけであるにもかかわらず、青ちゃんは、遠くから恐れなくそれを掴みにきました。近くにいたわけでもないのに、なぜ、その価値を知っている?と、驚くあまりでした。そんな新奇なものにいきなり手を突っ込んで怖いとか、そういう感情がないのかなあと、当時は思いました。

視点の高さが、「ビジョン」とか、「アイデアをたくさん描く」といったことにつながっているのだと思います。そして、それを知ったかぶりにしないで、自分のものになるように確かめに行きます。2つ目と重なりますが、きっと人とか人の力を信じているのだと思います。人間関係リスクとか、僕は自分の経験上考えてしまうことがありますが、青ちゃんのアンテナの高さと握力は、相手を信じるという根底からきているのではないかと、そばにいると思うわけです。

 

「ヒミツキチ森学園」として集積

上の3つを挙げましたが、その集積がわかりやすく大成しているのが「ヒミツキチ森学園」だと思います。今回の本で、敢えてそこはあまり登場させていないのかもしれませんが、「ヒミツキチ森学園」の実践をなくして、青ちゃんの本当の人間性なり魅力なりは、読者に伝わらないのではないかと思います。教師1年目や若手をターゲットにしているので仕方がないですが、「まちづくり」とかを視点に、もう1冊書けばいいように思います。おそらく、そちらの方が魅力あふれるものになるのではないかと思います。地域を愛する人向けに本を書いたらいいじゃないかなあ。

思い返せば、車の中だったかなあ、青ちゃんから「先生やめて新しいことを始めたい」というメッセージを受け取ったとき、目ん玉飛び出るくらい驚いた記憶があります。そこから、「ビジョン」と「振り返り」を往還し、「人」を大切にしながら、「アンテナ」を広げ掴みにいった結果が、今の彼の姿であり、これからどこへ向かうのか、楽しみで仕方がありません。

これまでのいろいろの感謝を込めて、祝辞と共に、青ちゃんの新しい挑戦に注目していきたいと思います。

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