7月26日(土) 新宿西口から深夜バスで七倉登山口へ
7月26日(土)、新宿西口から深夜バスに乗り込んで、長野県の七倉登山口へ向かいます。車中で1泊、テントで4泊して、裏銀座を縦走する計画です。ただ裏銀座縦走するだけでは勿体無いので、北アルプスの秘境と言われる雲の平山荘に寄り道をする計画を立てました。

7月27日 1日目 七倉 〜 烏帽子岳 〜 烏帽子小屋
7月28日 2日目 烏帽子小屋 〜 野口五郎岳 〜 水晶岳 〜 祖父岳 〜 雲の平山荘
7月29日 3日目 雲の平山荘 〜 鷲羽岳 〜 三俣蓮華岳 〜 双六岳 〜 双六小屋
7月30日 4日目 双六小屋 〜 樅沢岳 〜 槍ヶ岳 〜 南岳 〜 南岳小屋
7月31日 5日目 南岳小屋 〜 天狗池 〜 上高地
振り返ると、100名山の水晶岳、鷲羽岳、槍ヶ岳に加え、北アルプスの秘境である雲の平、天空の滑走路と呼ばれる双六岳、池も四十八池、雲の平、鷲羽池、双六池、天狗池など、たくさんの見どころのあるコースでした。
七倉のトンネル
深夜バスで七倉に到着。まだ3時40分ですので、暗くてトイレすらどこにあるのかよく分かりません。ヤマレコの地図のトイレマークを探して、真っ暗闇の中探すほどでした。4時を過ぎてから日の出前の薄明かりに包まれました。

いざ出発! と思っても、そこに立ちはだかるのが、山の神隊道と呼ばれる1.2kmほどあるトンネルです。普通の人は、日の出を迎えてからタクシーでこの道を進むのですが、早く出発したい私は、真っ暗なトンネルをヘッドライトの灯ひとつで進むことにしました。トンネルの奥には、別の登山者の明かりも見えるし、やれないことはないと。(この先方を行く登山者の明かりはすぐに見えなくなりました…)
しかし、20分ほどの明かりひとつないトンネルを一人で歩くという行為は、とても怖いと思います。夜の学校をうろうろすることに慣れている僕も、これは後ろを振り返ったら引き返したくなると思い、どこがトンネルの出口かも見えない真っ暗闇の真っ直ぐの道を、ただただ無心に歩いて行きました。途中、出口が見えてきた頃にトンネルの灯りが一斉に灯ったので助かりました。
立ちはだかるブナ立尾根

高瀬ダムまでの道のり、短いトンネルがいくつかありましたが、だんだんと朝日が明るくなり、途中で動き始めたタクシーも追い越して行ったりと、のんびり歩ける道になりました。
高瀬ダムの頂上に向けての最後の坂道は、綺麗に並んだつづらおりの道でした。そこを登り始めた頃、1台の車が私の横に止まり、よかったらと催促してくださいました。僕もせっかくだからと、乗せてもらいました。お話を伺うと、湯俣温泉の方にある岩魚の養殖をされている方でした。(黒部の山賊の中でも、岩魚釣りの名人が登場していたので、早くも物語の世界に入ってきました) こういう出会いは思い出に残ります。高瀬ダムの頂上まで載せてもらって、そこでお別れをしました。タクシー台は結構高いので、嬉しい出会いとなりました。
高瀬ダムを通過すれば、ブナ立尾根です。日本三大急登の1つとされている手強い登山道です。登山道入り口から烏帽子岳小屋までの道のりを12区分に分けられていて、どこまで登ったかが分かる標識がたっています。しかし、これが全く進まない…
私のコースタイム
5:48 12区点 ブナ立尾根 登山道入口 濁沢
7:49 4区点 三角点
9:00 0区点 烏帽子岳小屋
3時間以上登っていましたね。本当に長い長い登り道でつらかった…。がんばりました。

烏帽子岳小屋でテントを設営しながら、体調を整えました。結構バテたので、ゆっくりと休憩をとりました。
高山植物の女王 コマクサ

休憩ののち、ザックを置いて、烏帽子岳へ。この辺りは、燕岳のようにコマクサがたくさん咲いています。今年は夏も暑いので、見頃は超えてしまったようですが、それでも本当にたくさんのコマクサが咲いていました。
コマクサは高山植物の女王と呼ばれています。写真のように、砂礫を好む植物で、コマクサのピンクと緑、砂礫の黄土色が相まって、とても綺麗な花です。根が非常に深いそうで、雨水の少ない季節でも耐えることができるらしいです。

コマクサの群生はしばらく続き、かわいそうな名前が付けられた山「ニセ烏帽子岳」から烏帽子岳をゆっくり眺めました。すぐに息が上がって、体力がなかなか戻らないのは、ブナ立尾根のダメージだと思います。烏帽子岳の山頂は想像通り狭かったですが、何人かの人が立山まで一望できる景色を楽しんでいました。
裏銀座から表銀座の燕岳もよく眺められます。烏帽子岳、山ッ岳、野口五郎岳周辺は花崗岩で、燕岳の地質とよく似ていることから、コマクサもよく咲くのだと思います。いろいろな山に登ってくると、山によって地質が全く違うことに驚かされます。

もう少し歩くと、四十八池。尾瀬のように大小の池塘が点在する箇所で、荒々しい岩肌と水面の直線がお互いに高め合って美しいコントラストを作っています。私も写真の方々のように、のんびり昼寝をしたかったなあ。
烏帽子小屋でテント泊

烏帽子小屋の前はイワギキョウの群生が本当に綺麗でした。夕方から降った雨で、夕陽の閃光が雨露に反射し、幻想的な光景となりました。
烏帽子小屋のテント場は、撤収後に気付いたのですが、割と奥が深くて、奥に張ると小屋までの往復が手間になりますが、景色の良いところにテントを貼りたい人は、奥まで確認することをお勧めします。大きめの池塘もあって、次の日の予定を気にしなければ、山々と池を眺めながら本を読むのも、最高に素敵な時間になると思います。
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