Chp.1 One Size Doesn’t Fit All
Tシャツが一つのサイズしかなければ、そのTシャツはほとんど多くの人に合わないでしょう。もし、デザインやカラーが1つしかなければ、もっと困る人が増えることは確実です。けれど、今の学校はそういう状態ではありませんか?ということを指し示している言葉です。もうこの言葉は、新しいものではないようです。
Differentiated Classroomは何をDifferentiatedするの?
Still, we expect students to adjust to the learning when the learning should really be adjusted to the learners.
学校は、現状として学習が子どもに合わせるのではなく、子どもが学習に合わせることが日常化しています。目標・内容・学び方・評価は、カリキュラム上不変のもので、子どもによって変化するのは支援ぐらい。支援以外のものが固定的なので、支援のそれに準じたものに限られてしまうのが現状です。この本では、スタンダード(Common Core State Standards)がありつつも、それを巻き込みながら子どもたちの固有の学びを尊重して順応に運営しようとする教師の営みを感じます。
Diffrenteated Classroomの教師がもつマインドセット
- 子どもたちみんな、得意なエリアがある
- 子どもたちみんな、頑張らなくてはいけないエリアがある
- どの子の脳も指紋のように固有のものである
- 学ぶのに遅すぎることはない
- 新しいトピックを始める時、子どもはその学習について、既にもっている知識や体験を活用して学んでいる
- 感動、感情、態度は学習に影響を与える
- すべての子どもは学習できる
- 子どもたちは違った瞬間の違った方法で学んでいる
子どもたちの多様性に合わせて、どのような学習の多様性をもたせればよいのでしょうか。筆者は以下の4つを示しています。
- 学習内容
- 評価方法
- 成果物
- 教育的な支援
日本では、上の3つは固定的なことが多いです。それに付随する形で支援もあるので、A基準・C基準と支援を多様な子に広げる取組も、限定的なものになってしまいます。
This formative pre-assessment may be done 1 to 3 weeks prior to the unit to allow plenty of time for planning learning activities, groupin students, and raising anticipation and ecitement about the new topic.
Differentiated Classroomのための計画づくりはどうしてるの?
新しい単元に入る前に1〜3週間ほど使って、学習に関わる子どもの多様性をアセスメントする(Formative Pre-assessment)ようです。教材研究に長い時間をかけることはありますが、子ども研究に重点を置くことはあまりありません。この本には、Differentiated Classroomを作るための計画手順やプランニングシートも掲載されています。
- 何を身につける必要があるのか、何を知る必要があるのか? (その核になる問い)
- 内容はどうするか?(知識、理解、スキル)
- 事前に子ども理解をどのように行うか?
- 探究の方法はどうするか?(学習方法やグループサイズなど)
- グループの決定はどのように行うか?
- 総括評価をどのように行うか?
子どもたちの認知特性、マルチプリインテリジェンス、興味など、子どもたちの多様性を大切する意図から。計画の決定が行われていくそうです。
Differentiated Classroomの計画と指導案の違いは?
私たちの指導案は、学習内容や教師の指導計画が中心ですが、明らかにこの本の学習計画づくりは、子どもの研究がもっとも重いです。指導案でも、児童の実態から書かれる意図はここにあると思うのですが、この本の計画は、児童の実態が柱となって、さまざまな計画づくりに反映されていて、その計画が直線的ではなく、多様性に応じて変化することが前提に組まれています。そこに大きな違いがあるように思えます。
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