読み聞かせは、本当に読み聞かせるだけで良いのでしょうか? 絵本を読み上げる声にじっと集中して聞き、聞き終わったあとはその子の想像を壊さないように、子どもに感想を求めない。これが絵本の読み聞かせの暗黙の了解のように広がっていますが、本当に読み聞かせの効果を十分に発揮しきれているのでしょうか?
実は、はるかに効果的な時間に変える方法があるのです! 世界で行われている多様な読み聞かせを紹介しながら、読み聞かせが持つ素晴らしい力を鮮やかに描き出します。それらも活用して、子どもたちの読書力をさらに呼び起こしてください。
先生、司書、ボランティアなど、本に関わるすべての方、そして何より、子どもを本好きへと願うすべての保護者に。
トミー
読み聞かせのパラダイムシフト
日本の読み聞かせって、何かしきたり的なものがまだはびこっているように思います。
- 読み手は子どもに感想を求めてはいけない。読み手の想像に介入してはいけない。
- 読み手の解釈を声の調子に入れてはいけない。淡々と聞きやすいように読む。
- 聞き手は、黒板の中央に座る読み手のまわりに集まって、体育座りで聞く。
- 聞き手は、静かに聞く。
別に僕も全てを否定するわけではないですけれど、読み聞かせのスタイルが星の数ほどあるということ、読み聞かせのスタイルは自分で選べばいいということ、読み聞かせをする教師や保護者、ボランティアの方、すべての人がもっと自由に、インタラクティブに読み聞かせを楽しんでほしいと思っています。
読み聞かせはもっとインタラクティブでいい
例えばこの動画。
先生は読み聞かせをしていますが、問いかけが入ったり、子ども同士の対話が入ったり、ボードにまとめたりしています。
読み聞かせ自体が、一つの小さなミニレッスンになっていますね。先生がわりと構造的に読み聞かせを主体に授業を組み立てています。
日本では、どうも読み聞かせはボランティアさんが、先生たちが朝の会議をしている最中にやるものという、もったいない認識でとらえられている節もあるように思います。教師ももっと読み聞かせを使って子どもがもっと活躍できる授業を組み立てていいし、ボランティアの方々も読むだけの読み聞かせから、対話を挟んだり問いをいれたりして子どもたちの反応を引き出すような読み聞かせをしても良いように思います。
親子の読み聞かせもこんな感じ
楽しそう。
でも、大概の親子の読み聞かせってこんな感じなんじゃないのかなあ。
子どもが気付いたことを指差して親に教えたり、お母さんも子どもの反応を引き出すことを楽しんでいるように思います。
読書は、本と自分の間にある意味を楽しむもの
本や作者の解釈、本を研究した学者の解釈の中に、味わうべき本の価値や意味があるのではなく、読者自身と本との関係の中から築かれる相互作用の中に、本の価値や意味が生まれる。つまり、読者自身が本の意味を作り出すことによって、初めて本の価値は生まれる。
すべての創りだした意味は、鏡の中の自分 「風神雷神はなぜ笑っているのか」
正しい読みなんてないし、間違った読みもない。あるのは、読者と本や作者との相互作用によりできた意味しかありません。読者は、とくに子どもの読者は、自分で作り出した意味をもっと大切にして良いように思います。
うちのあおしゃんは、「君たちはどう生きるか」を生意気に読んでいます。(最近はまたハリー・ポッター熱が高まって、半分くらいで止まっていますが)
きっと、間違った読みをしていると思います。間違っているところはどこなのか、いちいち確認しないし、もちろんそれを正そうとも思いません。あおしゃんと本との対話の仮定できた意味を大切にしてくれればいい。本を楽しんでいる姿勢こそが、宝物なのであって、自由に自分の想像を広げて本と対話し、意味を作り出していることこそが大切なのです。
僕も平行して「君たちはどう生きるか」を読んでいて、たまにお風呂に入りながら、「あの場面分かった?」なんて聞くと、結構場面をクリアに覚えていて、「あの人間は水の分子みたいなものだっていうところでしょ?良くわからない!」という感じでしっかり反応を返してくるから、それはそれでおもしろいです。風呂の水を手ですくいながら、説明してみる自分。このやりとりが、僕にとっては宝物です。
読み聞かせは魔法!読んでみてください。
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