「言葉を選ぶ、授業が変わる!」言葉を変えて、心を磨こう

大人のための読書記録

 

優しい先生が最も敬われるべき先生

優しい先生を目指しています。というと、今の時代は特に、子どもを指導できない先生と捉えられがちで、口にだすことに勇気が要るときもあります。けれど、自分は教師としての年数を重ねるごとに、優しい先生というのは本当に難しく、そして卓越した技術の結果であるという考えに至ります。

優しい先生。それは、子どもを勇気づけ、安心感を与え、わくわくさせ、自信を高めて、そして、子どもたちが民主的な学習コミュニティの一人というアイデンティティをもっていられるようにする先生です。

決して、抑圧的ではなく、知識を授ける者と受け取る者という関係性を充満させない。自分の仕事よりも子どもたちの成長を大切にしている先生。

まだまだ、道は遠いけれど、優しい先生を目指すことは間違いではないということを教えてくれる一冊が、「言葉を選ぶ、授業が変わる!」という本だと思います。

MemoryCatcher / Pixabay

 

言葉の底に伏流するマインドセット、学習観、子ども観

言葉の中には、マインドセット、心の底に流れる「観」が知らず知らずのうちににじみ出ています。

それは、美しいものも、そして、子どもの心を押しつぶす汚いものも。誰もがその両方をもっていることでしょう。

子育てしていると本当によく感じることがあります。自分の心が整っていないときに、自分の心の底に隠している汚いものが、顔をのぞかせて、自分の子に対して余計なことを行ってしまったり、余計な態度で出てしまったり。

これが、もしも、制度化されて、権威を与えられているかのように存在感が確約され、周りの大人も認めるような風潮があり、教室という閉ざされた空間で、長い間汚れた言葉で子どもの心を世の中が求める色に染め上げてしまっていたら。

条件次第で、教室はそういう場所になりかねないでしょう。それは、珍しいことではなく、空気のように当たり前のような存在になっていて、自分の周りにあったとしても、気づかないだけかも知れません。

優しい先生のマインドセットは、決してそうではないでしょう。

言葉によって、子どもたちは個性を発揮する勇気をもらい、子どもも教師も一人の学習者として学び合い、教師は学習コミュニティーの編集者に過ぎず、創造的な活動を行うのは子どもたち一人ひとりなんだと気づかせてくれる、優しい先生。

そんな優しい先生は、無意識のうちに言葉の中に、民主的なマインドセットから生まれ出た言葉をあふれさせ、子どもと毎日を接している。このような資性に日々触れていたら、子どもきっと新芽が太陽を目指すように、ぐんぐんと育っていくことでしょう。

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言葉を変えれば、マインドセットは変えられる

教師が発する言葉を変えられれば、教師の心根にある子ども観やマインドセットが変わり、そこから授業が変わるということは、十分にあるように思います。その可能性を信じられないと、教師や親はできないかと。

けれど、「変わる」のではなく、「変える」という強い意思がないと、無意識を替えていくことはできないと思います。

昔、非構成的グループエンカウンターというのを経験させてもらったことがありますが、自分の知らない自分に出会い、そこにアクセスしようとすることって、とてもつらくて大変なことです。隠れていた自分を見つめることも嫌だし、それをなんとかしようともがくのも嫌。見えていない自分を見ることって、やっぱり大変なことです。

でも、そんなに無理をしなくても、意識的に言葉を少し変えていこう、子どもたちにプレゼントする言葉を少し意識していこうとするだけで、自分から発せられた言葉によって、自分の心が少しずつ変わっていくのかも知れません。心が言葉を作るように、言葉を変えれば心も変えられる。

まずは、せめて教室の中だけでも、意識した言葉を使っていきたいと思います。

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