「作家の時間」から、ジョギングを通じて、書くことの楽しさを伝えたい。

ライティング・ワークショップ
 子どもたちに、書く楽しさを伝えたい。そんな気持ちを込めて、「作家の時間」をおこなっています。僕は、書くのが楽しいので、自分自身が書くことを楽しんでいるんだということを体現して、巻き込んでいきたいと思っています。
 今回は、自分の作品として、これを子どもたちの原稿とともに、印刷することにしました。子どもたちと親御さんたちに、学ぶことへのメッセージが届くとよいです。
ジョギング
 みなさん。ジョギングをしたことがありますか?とにかく、長く走るスポーツです。それだけ。一人でひたすら走ります。かちまけもありません。
なにが楽しいの?そう思った人もいるでしょう。分かります。今日はそれについてお話ししたいと思います。
 ジョギングが楽しいりゆうの一つ目は、くるしいからです。
苦しいのに楽しい?ヘンテコですね。でも、くるしくても、がんばってつづけて、やっとおわったときに、「やった!」とかんじたことはありませんか?しゅくだいでも、ならいごとでも、なんでもいいです。ジョギングは、走る長さを自分で決めます。そして、もくひょうまで走りおわったときに、「やった!できた!」と思うのです。くるしくても、「やった!」をかんじたくて、走ります。自分できめたことを、いっしょうけんめいがんばるって、できたとき、ほんとうにうれしいものです。
くるしくても、つづけられるのは、じぶんできめたことを、じぶんのペースでできているからです。ジョギングは、自分できめるというのがポイントなのです。
 二つ目は、一人になれるということです。これについては、2年生にも分かってもらえるかどうか、ふあんです。
わたしは、みんなと楽しくすごすのもすきなのですが、一人の時間をたのしめるからこそ、みんなとの時間も楽しめるのだと思っています。走っているときは、だれにも話しかけられないし、ながれていくけしきを見ながら、考えたいことを考えます。なにもしないでぼんやりしていると、「しごとしなくちゃ!」とか、「せんたくものたたまなくちゃ!」と、考えてしまいますが、走っているときは、そんなことを思いついても、今は走っているので、できるわけがありません。走るというひとつのこと、それいがい、考えなくていいわけです。走ることに、ぼっとうできるのです。そのことは、いまのわたしにとって、とてもたいせつなことなのです。
ちなみに、だれかといっしょに走ることも、とっても楽しいです。すごくゆっくりと、おしゃべりしながら走ります。また、マラソン大会にでると、たくさんの人といっしょに走ります。とてもよいタイムが出ます。一人で走るのも、だれかと走るのも、それぞれのよさがあります。
 三つ目は、何もじゅんびせず、きがるにできるということです。よういするのは、時間だけ。
わたしは、水の近くを走ることが多いです。たとえば、海、川、湖。その近くに、りょかんやホテルにとまると、あさ、はしりたくなります。それは、走るのには、なにもひつようないからです。りょこうさきで、ジョギングすると、とてもぜいたくなきもちになれます。
さらに、かんがえすぎて、あたまがつかれているときや、きもちがおちつかずに、いらいらしてしまうときもあります。そういう時も、走ります。走ると、心がしずかになっていくのが分かります。頭がすっきりするのです。友達をさそわなくても、グラウンドをかりなくても、すぐにできます。だから、頭や心をしずめたいと思ったときに、すぐにできるよさがあります。
 ある友達が、こんなことを言っていました。
「スポーツのぶかつで、走らされていたから、ジョギングはどうしてもすきになれない。走ることの楽しさが分からない」と。
これをきいて、ジョギングとにていることって、たくさんあると思いました。
本を読むこともにています。書くこともにています。学ぶこととジョギングはよくにています。どちらも、じぶんの心の声に耳をかたむけ、自分できめたことを、じぶんできめてやるということです。
ジョギングも、学ぶことも、じぶんを大切にするスポーツなのだと思います。
 おまけ
わたしは、この文を、カフェで書きました。書いているとき、とても楽しいきもちになりました。みなさんも、夏休み、いつもとちがう、リラックスできるばしょを見つけて、楽しく書いてみてはどうですか?書くことが楽しくなりますよ。
書くことって、ジョギングのように本当に楽しいです。じゆうに、楽しく、かっこつけずに、どんどん書いてみてください。そして、近くの人に、たくさん読んでもらってください。

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