Question
一般的な国語でも「説明 → 子どもの活動 → 共有」という枠組みがあると思います。
『リーディング・ワークショップ』『改訂版 読書家の時間』の1時間の流れ「ミニ・レッスン → ひたすら読む → 共有/振り返り」とは、何が違いますか?
Answer
確かにこれまでの国語も、他教科も、「説明 → 子どもの活動 → 共有」というフレームは頻繁に使われています。『リーディング・ワークショップ』の「ミニ・レッスン → ひたすら読む → 共有/振り返り」 というフレームと重なる部分もあります。
でも、実はこの2つ、裏にある背景は、かなり違います。
「説明 → 子どもの活動」は、子どもたちへの指示や目標の提示など、 教師のねらいが前面に出た流れなのに対し、「ミニ・レッスン → ひたすら読む」は、「ひたすら読む」への教師の介入の程度は低く、 あくまで、「モデルを示す」「おすすめの読み方を提示する」「リストや選択肢を出す」などを「ミニ・レッスン」の中で行い、子どもたちは「ひたすら読む」の中で読みたいものを読みます。教師のねらいではなく、子どもが設定しためあてが前面に出ています。
「説明」の中で行われる教師の指示一つで、「子どもの活動」がガラリと変わることでしょう。子どもは予想など立てる意味もなく、教師の言葉を待って活動を始めた方が効率的と言えます。しかし、リーディング・ワークショップの場合は、( 教師が大枠を提示することはあっても) 子どもが学習を計画するので、見通しを持ちやすい学習になります。
「共有」と言葉は同じですが、一般的な国語の授業は、 教師が提示したねらいが達成できたかを子ども同士で共有し、振り返るのに対し、リーディング・ワークショップは、「 自分のめあてに沿って読み進められたか?」「さらに良い自分の読み方はないか?」「自分はこの本にどのような評価をするか」など、共有し振り返ります。
つまり、従来の国語は、 単元計画に沿って教師の計画通りに子どもを学習させるための、教師主体の学習(中央集権的)であるのに対し、リーディング・ワークショップは「自立的な学習者」を育てることを主眼としているので、 子どもが学習の主体者(自律分散的)になります。
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