6つのステップ具体 Differentiated instructional strategies chp.8 Part.2

一人ひとりを生かす指導法 Differentiated Instructional Strategies

この新しい授業計画ツールとなりうる6つのステップの具体例を紹介していきます。

指導案では、時間もかかりすぎるし、教師の行動に焦点を起きすぎていて、ワークショップやプロジェクトを実践する先生には、何か四角の型枠に丸いものを押し込んでいるような気分にさせられますが、これなら大切な点を欠かすことなく、構造化できるのではないでしょうか?

6つのステッププランニングモデルの実際

本書では、4種類紹介されています。

  • 小学校低学年(時計)
  • 高学年(周期表)
  • 中学校(骨と筋肉)
  • 高校(ヨーロッパからの移民によるアメリカ文化への衝撃)

小学校高学年から、周期表を学習していることに驚き。たしかに、化学の基盤になるかもしれない。僕の記憶では、周期表をちゃんと学習したのは、高校生?今回は、骨と筋肉を紹介します。

RyanMcGuire / Pixabay

6つのステップとは(おさらい)

  1. スタンダード(子どもが何を知る?何をできるようになる?)と、鍵となる問い
  2. 内容(コンセプト、習得する語彙、事実)と、スキル
  3. 活性化、焦点化、プレアセスメントのための活動
  4. 獲得の時間(グループで一斉に、小グループで)
  5. グループ活動(TAPS (Total, Alone, Partner, Small Group)、ランダム、同質同士、異質同士、興味別、タスク別、などで組み立てられる)
  6. 評価

☆多様性を尊重する(学習スタイル、マルチプルインテリジェンス、個人的な興味、など)

Differentiatedのための6つのステップ Differentiated instructional strategies chp.8

中学校の骨と筋肉のユニット

スタンダード(子どもが何を知る?何をできるようになる?)と、鍵となる問い

スタンダード

骨格と筋肉のシステムは歩くという機能を実行するために相互に働く

鍵となる問い

骨格や筋肉のシステムはどんな機能を提供していますか?

これらの機能をもっと大事にするためにはどのようにしたらよいですか?

スタンダードというのは、各州共通のCommon Core State Standards(CCSS)や、州ごとのスタンダードから、引用・抜粋しているものと想像しています。

それをもとに、ユニットを貫く問いを設定しています。この問いによって、灯台が照らす光のように、子どもたちに探究の方向性を指し示しています。

内容(コンセプト、習得する語彙、事実)と、スキル

内容

筋肉、骨格、機能、靭帯、骨

スキル

視覚的な表現

原因と結果

内容は、習得させたい言葉や内容が並べられています。スキルは、思考・判断・表現に当たるでしょう。内容を深めていくために鍵となる、習熟させたいスキルです

活性化、焦点化、プレアセスメントのための活動

3 骨格/筋肉システムの機能

2 子どもたちが聞きたい質問

1 これを知っておくと良い理由

骨格と筋肉のシステムの各部分に張り紙をしておく

おそらくこれは、3(知っていること)、2(知りたいこと)、1(知ったこと)について、枠を作って書かせているのだと思います。いわゆる、KWL法です。僕の予想では、Differentiated Instructionを実践している先生ならば、コーナーとかに分けたり、模造紙にみんなで相談しながらポストイットで共有できるようにしたり、しているのではないかと想像しています。最後の文章は、それを意味しているのかもしれません。

獲得の時間(グループで一斉に、小グループで)

先行オーガナイザーとして、3つにグループ分けし、ビデオを見させる。

小グループでディスカッションと、要約やノートの記述として先行オーガナイザーに書き込む

ランダムのパートナーとビデオと教科書を読む作業から情報を比較する

先行オーガナイザーとは、ユニットでどんなことを学ぶのかの概観を捉えられるワークシートのことだと思います。ユニットの概観を掴ませることは、教師主導の形で、グループ活動として行われています。次の活動に必要な知識やスキルを獲得する時間です。

グループ活動(TAPS (Total, Alone, Partner, Small Group)、ランダム、同質同士、異質同士、興味別、タスク別、などで組み立てられる)

◯生徒は、チョイスボードから選んだものによってグループ分けされます

◯生徒は、チョイスボードの2つのプロジェクトを達成するために1人か、2人組か、3人組で学習します。

◯生徒は、チョイスボードから選んだ自分のプロジェクトを発表します。先生とペアの人は、ルーブリックでフィードバックを与えます。

チョイスボードとは、活動の選択肢を示した掲示物のことです。先生がマルチプルインテリジェンスか、それとも、興味別や難易度別かで、選択肢を作り、子どもたちに自分がプロジェクトを立てたいものを選ばせています。グループづくりは、自由に任せている模様。先生と子どもでルーブリックを共有していて、その観点から、発表で評価し合うようなシステムがとられています。

評価

生徒は、骨格と筋肉のシステムの必要性、その機能、健康的な生活のためにこれらのシステムをどう大切にするか、を個人で文章でまとめる。2つのシステムの部分と機能をテストする。

この先生は、自分のプロジェクトの学習の成果を、文書で書かせるようです。テストも最後にあります。この先生の場合、最後の評価はもっと多様でも良いように思いましたが、プロジェクトで学習が進んでいるので、子どもたちはそれぞれ個性的な文章を書くのだと想像しています。

☆多様性を尊重する(学習スタイル、マルチプルインテリジェンス、個人的な興味、など)

これは、先生のマインドセットとして、常に書かれているものです。

geralt / Pixabay

簡単な指導案

翻訳するのは大変でしたが、これを書き入れるのは、ユニットの構造が頭のなかで整っていれば、30分も要らないような気がしています。子どもたちにオープンに学習させたいと願う先生は多いと思いますが、ユニットの構造、学習環境づくりは、しっかりと整えておきたいところです。こういうワークシートを使って、自分の頭を整えてから、子どもたちに学習環境で遊ばせるようなイメージで、ワークショップを捉えるとよいのではないでしょうか。

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