しなやかマインドセットを鍛えるためのセルフトーク練習法

A Mindset for Learning
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ダイジェストコーナー

ダイジェスト版も長くなってしまいました…。

自己への語りかけ、内言とは何かについては、下のリンクから

ロールプレイとキーワードで5つのスタンスを身に着けよう

6章、自己への語りかけ(セルフトーク)を育てる

マインドセットを育てるためのセルフトークを鍛える具体的な方法が書かれている章です。よいセルフトークを育てることができれば、言葉が内言を変え、内言が行動を変え、行動が習慣を変える、良い循環が起こります。

菊池省三先生の価値語とも近いような気がしますが、こちらのセルフトークのほうが、内言を直接的に鍛えることにフォーカスしており、子どもたちにも身近な言葉がセルフトークフレーズとしてリストアップされています。日常的に心のなかで使う言葉を語彙として習得できるようにする感じです。

グループカンファランス

5つのスタンスを教えるときにも、ライティング・ワークショップ、リーディング・ワークショップのグループカンファランスと同じように、カンファランスベースドで進められていくのですが、特にこの章では、グループカンファランスが紹介されています。

  1. Observe. 観察する
  2. Gather your group. 共通の課題を持つ子だけを集めてグループにする
  3. Teach-model, let children practice, and create a tool. 先生のモデル → 練習 → 道具(セルフトークフレーズやポスターなど)を作る
  4. Reflect and share. 振り返りと共有 → グループを解散して学習の中で

観察

基本、この先生もワークショップで授業が進んでいるので、子どもを観察する時間を授業の中でもたくさん持っています。ですが、観察は10分以内だそうです。この時間は、おそらく、子どもたちの情報を出口チケットやジャーナルなどで、ある程度つかんでいることが前提だと思います。

そして、今回行いたいグループカンファランスの内容に沿って、視点を持ちながら、観察を進めます。

  • Who gets started right away? Who doesn’t? (optimism for the task) すぐに始めたのは誰?
  •  Who gets stuck and stalled? (flexibility and persistence) 手こずっているのは誰?
  •  Who looks to be hiding his or her work? (resilience)  課題から逃げているのは誰?

Talk to your students: 話して情報収集

  • What are you thinking as you try this?   挑戦している時に何を考えている?
  • What could you say to yourself to help yourself out of trouble? 分からないことを解決できた時に心のなかで言う言葉って何?
  • How do you feel right now? 今どんな気分?

Study the work: 学習の様子から

  • Who tried only once? 誰が一度だけしかやってない?
  • Who crossed out or erased his or her work excessively? すぐに消去線を引いたり、消してしまったりしてしまうのは?
  • Who spent a lot of time on one small aspect of the task? 誰が一つの課題に時間をかけすぎている?

グループを集める

具体的な特徴を持った子を集めて、グループカンファランスを始めます。特定の床(おそらくカーペットの場所)のところに集まって、書くことや算数など課題をさせながら、何か鉛筆が止まった時に先生は、5つのスタンスの観点での支援をします。

コンセプト(5つのスタンス)を教える

教え方を3つ示しています。

  • Model
  • Let Children Practice
  • Create a Tool to Help Children Maintain This Talk
Model

先生がモデルで示して、問題に突っかかった時に、どうやってセルフトークをしているか、「考え聞かせ」をします。「考え聞かせ」は、絵本の読み聞かせの方法の一つとしても紹介されていますが、内言を外言化して可聴化し、思考のモデルを示す、教科にとらわれない手法です。以下の本で詳しく書かれています。

 

Let Children Practice

セルフトークフレーズを教えて、それをロールプレイで教えていきます。下のような言葉を、教師がモデルを示しながら、セルフトークの例として、教えていきます。また、クラス全体でセルフトークフレーズをもっと出したり、それをポスターにまとめたりしながら、共有をしていきます。

これはとても強力に子どもたちの中に働くのではないでしょうか? 僕の教室でも、即実践したいです。今年度は5つの柱を中心に学級目標を作って、セルフトークフレーズやエピソードを増やしていきたいと思います。

セルフトークフレーズ集(トミーの超意訳)

 

Create a Tool to Help Children Maintain This Talk

子どもたちが、グループカンファランスから離れて、一人ひとりのワークショップに戻っていく時に、教えたことを引き出せるようなトリガーを作っておきます。それは、付箋やメモにセルフトークフレーズを書いておいたり、フレースにつながる写真渡したり、全体に見えるようにポスター化したりします。

振り返り・シェア

振り返りワークシートを使って、5つのスタンスができたかどうかの簡単なチェックをします。

また、友達同士で具体的なセルフトークを教えて合って、エピソードを共有したりする時間も取ります。

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振り返るために、成長を続けるために

振り返りをするために、インタビューがよいと紹介されています。

僕は自分の実践を振り返るために、定期的にグループインタビューというのを行って、先生の授業や自分の学習を先生も交えてグループで話をする時間を取っています。気兼ねなく会話ができる環境を作り、授業や学習を振り返られると、子どもたちも自分の学習方法の向上について考えるし、先生自身も自分の学習環境づくりの課題に気づくことができます。

僕の場合は、「カンファランスが詳しすぎて自分でもうすこし自主的に調べたい」と言ってもらったことがあり、子どもたちの言葉からカンファランスの難しさを感じられました。書き言葉では、このような率直な意見は出にくい子は多くいます。グループインタビューはお薦めです。

同じ質問の答えを定期的に行い、記録していく方法も挙げられています。インタビューで行われるのでしょう。

高学年には、ジャーナルのような学習後の振り返りノートのような実践をよいとあります。書き溜めていったことが、自分のツールとなり、5つのスタンスに満ちたクラスの文化を作り出していきます。

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以下はもっと知りたい方のために

6, Using Small Groups to Teach Productive Self-Talk


“Indeed, the Sanskrit word ‘mantra’ literally means ‘instrument for thinking. As such, these short words or phrases have long been used to focus the mind in meditation.”

 

ショートフレーズを掲示して、マインドセットを育てる取り組み、やって見たいです。

In Your Own Classroom

It can feel surprising when you realize that some children do not need more content, but rather more experience with how learning feels and how to work through mistakes and challenges in productive ways.

 

勉強はできるんだけれど、学習を楽しめていないと思える子はたまにいます。でも、ワークショップに誘い込むと、そういう子は芽吹いたかのように、すごく面白い探究をしますね。

 

This process, as seen in the example in Chapter 5, may be split up across the day but ultimately will not take more than ten minutes of time.


10分かけないというのが驚きです。でも、実際そうですよね。観察して記録する。この基本を地道に、効率的に、どうできるかが、鍵だと思います。

 

  1. Observe.
  2. Gather your group.
  3. Teach-model, let children practice, and create a tool.
  4. Reflect and share.

 

Start with Observation

To begin, observe your class with these questions in mind (for more on observation, see Chapter 2):

  •  Who gets started right away? Who doesn’t? (optimism for the task)
  •  Who gets stuck and stalled? (flexibility and persistence)
  •  Who looks to be hiding his or her work? (resilience) 

5つの観点があると、視点が生まれて、漠然と見なくなります。

Talk to your students:

  • What are you thinking as you try this?  内言の発掘
  • What could you say to yourself to help yourself out of trouble?
  • How do you feel right now?


Study the work:

  • Who tried only once?
  • Who crossed out or erased his or her work excessively?
  • Who spent a lot of time on one small aspect of the task?

Gather Your Group

The table Self-Talk That Supports Different Traits” will help you narrow down what a child needs and determine what self-talk may best help that child or group.

集まっても、さらに子供を観察しています。

 

The benefit of grounding the small group in a specific content area, as Ms. Troncoso chose to do, is that the modeling of the self-talk can be more concrete and may lead to easier application.

これを読んで、教室の前を少し開けて、集まりやすくしました。

 

Some of your best opportunities for instruction will be in the heat of the moment when students are trying to overcome a challenge in choice time, in their reading, or at snack.

挑戦や課題にうちかって、できたと思った瞬間に、具体的にできたスタンスを明らかにして認めてあげたいですね。

 

Teach the Concept

ガイド読みとほぼ同じと理解しています。

  • Model
  • Let Children Practice

 

One of the most important aspects of these small groups is practicing saying self-talk phrases out loud.

考え聞かせですね。思考を可聴化する。信頼関係が必要です。

 

Self-Talk That Supports Different Traits

これの日本語版、ぜひつくりたいです。そして、それを基盤にして、うちのクラスのバージョンを作り、5つのスタンスを作りたいです。

今年はこの5つのスタンスを磨くための、内言や共有を積極的にやっていきたいと考えています。

 

  • Create a Tool to Help Children Maintain This Talk

 

These tools can include charts, sticky notes with quick sketches and key phrases, bookmarks, photographs with captions, checklists, and tally cards. Some of these tools might be used by the whole class and others should be personalized for individual learners. (See Figure 6.1.)

マインドセットを引き出すトリガーを作るイメージを持っています。

 

Reflect and Share

However, by asking children reflective questions such as, “How did you help yourself today?” and “What got you out of this tricky spot?” we are further reinforcing traits like

persistence, flexibility, optimism, and resilience.

5つのスタンスに意識が集約していきますね。

 

  • Reflect

You may want to take this opportunity to elicit from children other areas or scenarios to which this instruction could apply.

汎用科ですね。

  • Share: Teach a Classmate or Group


When students have mastered a specific self-talk strategy, you can provide them with the opportunity to teach a classmate or a small group.

コミュニティの強さが感じられます。教えたくなりますね。

 

幼稚園のエピソード

この先生のお陰で、パーしスタンスとレジリエンスの違いについて、深められました。

パーシスタンスは飽きずに粘り強く取り組むということです、熱中するとか、夢中になるみたいなニュアンスも込められていますね。

レジリエンスは、失敗をしたとしても、そこからビーチボールのように浮き上がってくる力。失敗はスタートであって、終わりではないという言葉がありましたが、レジリエンスを表す格言だと感じました。

 

ポスターで積木の経験を記録しておくというのは本当にいいですね。小学校ならジャーナルに書いて思いを記録しておくということだと思います。

 

それにしても、幼稚園でもパーシスタンスやレジリエンスを意識して、そしておそらく言葉もしっかり教えて取り組んでいることに、すごく可能性を感じます。小学生だってそれなら絶対できる!!今年は5つのスタンスを身につけられる学習を、授業時間の中で取り組んでみたいと思います。

Reflecting on and Maintaining Growth

Check in Regularly with Individual Self-Talk

We recommend regular interviews that give you, and your students, feedback on the ways they think about themselves, about challenges, and about their growth.

書くことの振り返りでは自分をオープンに表現できない子が多いですね。友達同士で語り合いながら振り返ることで、かなり深い振り返りが得られるように思います。

 

In the domain of self-talk, we recommend keeping, or have children keep. records of their responses to some of the following questions over time:

  • When I (you) get stuck, what do I say to myself?
  • What do I (you) do when something feels new or hard?
  • What words help me (you) when something is hard? What words hurt me (you)?

記録を取る。すごく大切です。今年の最大のテーマ。

3つ目の項目が、内言を成長させる上で大切なように思います。

 

However, the ways young children talk are the ways they think, so observation will give you an incredibly accurate window into their minds.

これは小学校高学年でも、おなじように大切でしょう。言葉と行動が同じでないから、なおさら観察や対話が大切なように思います。

 

‘Oh boy! I bet I can do this!’

 

With older children, you may carve out time to have them jot down their reflections in a notebook and ask them to notice how they have changed over the course of the school year. You may even offer a chart or a space in your classroom for children to collect and share new self-talk phrases that they create on their own.

今年は一人一人と交換日記をしています。時間はかかりますが、対話ができる機会を作ろうと、はじめました。セルフトークフレーズも、これから集めていきたいと思います。

 

Their quips and slogans (such as “Don’t take a brain vacation” and “Grow, brain, grow!”) will reflect not only all of the work your students are doing but also the classroom culture they are creating.

学級目標との違いはなんでしょうね。組合のスローガンや社訓のような。

 

Check in Regularly with the Ecosystem of the Classroom

SUGGESTIONS FOR ENGAGING FAMILIES

The benefit to all of this emphasis on self-talk is that it forces teachers and caregivers to reflect on their own internal dialogue.

僕自身のダイアローグを鍛えないと、子供達に伝えることなんてできないですからね。子供に教わって内言が鍛えられるのであれば、子供達から学べますね。

 

To help families support their children’s positive inner dialogue, you might invite them to try the following:

子供を通して、家族をエンパワすることもできるなんて、すばらしい仕事です。

 

Keep a diary and encourage their child to keep one too!

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